「後から聞いたら、腹痛も腰痛も病気の前兆だったかもしれないと」。24年5月に子宮体がんの手術を行ったと公表した歌手の藤あや子さん。当初は「子宮内膜異形増殖症」という診断が出たことから、全摘手術には否定的だったそうですが、そこから事態は思わぬ方向へ── 。
はじめの異変は不正出血だった

── 2017年に24歳年下の旦那さんと再婚し、仕事にプライベートに順調に進むなか、2024年5月に子宮体がんの手術をしたと公表されました。普段からキックボクシングやヨガ、毎日のシャドーボクシングで体を鍛え、食事にも気をつかってきたという藤さんにとっては、予想だにしなかった状況だったかと。まず、はじめはどんな症状が出たのでしょうか。
藤さん:不正出血が1か月くらい続きましたが、毎日出血しているわけではなく、日によって出血したり、しなかったりという感じでした。2、3年前にも出血したことがあって病院を受診しましたが、「よくあることなので心配ないですよ」と言われたので、今回も深く考えていなかったんです。
お腹が張ることがあっても激痛ではなかったし、腰痛もありましたが、ヨガのポーズを頑張りすぎたのかな、くらいに思っていて。後から聞くと、腹痛も腰痛も病気の前兆だったのかもしれない、と聞いたんですけど。
その後、出血が長引いているし、夫に相談するとちゃんと病院で診てもらったほうがいいと言われて受診することに。受診してすぐ、3月から1か月間にわたる大阪公演が控えていたので、私が大阪にいる間、夫に検査結果を聞きに行ってもらうことになりました。
── 初回の結果はいかがでしたか?
藤さん:検査から2週後くらいに結果が出て、夫が病院から話を聞いて、私に電話で伝えてくれたんですけど。病院の話では、がんではないけど黒に近いグレーで、子宮内膜異形増殖症という診断がついたと。このまま放置するとがん化する可能性があるし、転移のリスクも考えて子宮と卵巣を全摘する話も出たと言うんです。私は「あ、そうなの?がんじゃないなら、取らなくても大丈夫じゃない?」と軽く考えながら、まずは公演を無事に終えて、東京に戻ってから夫と2人で話をすることになりました。
大阪公演を終えて自宅に戻ると、夫が子宮内膜異形増殖症についていろいろ調べてくれていたんでしょうね、夫は「絶対に子宮と卵巣を取らないとダメだ」と言ったんです。私は「いやいや、子宮全摘なんてありえない。がんじゃなかったら取る必要ない」と。結婚してからケンカをしたことがなかったんですけど、はじめて言い合いみたいな感じになりました。
── 体に関わることですし。その後、どの段階で子宮体がんと正式な診断名がついたのでしょうか?
藤さん:東京に戻った翌日に病院に行って、夫から聞いた話と同じような説明をされ、詳しい病院で細胞を検査しないと、がんなのかそうじゃないのか判断ができないと言われました。
後日、紹介された病院で細胞を取って検査をし、3週間後に結果を聞きにいくことになりましたが、万が一がんだった場合、手術になる可能性があると。手術の予約がたくさん入っているから、「先に手術の仮予約をしておきますか?」と聞かれたんです。
がんとは思っていなかったけど、100%違うとも言いきれない。もしがんだった場合、手術から復帰まで1か月程度かかるかもしれないと言われましたが、5月16日に明治座でコロッケさんとジョイントコンサートがあったので、その日に復帰しようと決めました。この日に合わせて逆算すると、5月の頭には手術をしないと間に合わないので、5月の頭に仮予約を入れることに。
その後、結果が出て正式に子宮体がんと診断がつきました。