海外と日本の暮らしで感じた違いは
── 前回、ニュージランドに行かれて数か月後に取材させてもらった際は、見た目や人からどう思われるかを気にしなくなったという話をされていたのが印象的でした。
福田さん:日本でお芝居をしていたときは、人に見られることが多く肌荒れなどがコンプレックスでした。ニュージーランドにいたときは自分の好きな服を着て、好きなメイクをして、人からどう思われるかより、自分が好きなことを大切にできていたと思います。

日本に帰ってきて1年経ちますが、ちょっとした視線が気になってしまっていることに気づき始めました。日本にいると出かける前に「この服で大丈夫かな」とか「髪の毛の癖が」といちいち気になってしまって。帰国したらこんなに外見を気にする自分に戻ってしまうんだというのが正直なところです。
── 相手への配慮とも言えますが、やっぱり周囲の目は気になりますね。
福田さん:人と会う予定があるとき、「相手はどう思うかな」と気にしている自分がいて、「今日はこれが着たいな」と思っても「あの方はあまり派手な格好するタイプじゃないからこっちにしよう」と変えることも。TPOといいますか、会う相手や場所によって不釣り合いにならないように意識が向いてしまって、そう思うたびに、「いやいや、ちょっと持って、ニュージランドであれだけ自分らしくいられたじゃない!と思い返す作業の繰り返しです。
── 誰もが自分らしくありたいと思っているのに、なぜ人の目を気にしてしまうんでしょうね。
福田さん:ニュージーランドで生活していたときは、服装や髪型を人から「それいいね!」と声をかけられることはあっても、間違っても「今日なんか疲れてない?」とか「ちょっと太った?」とか、ネガティブなことを言われることはありませんでした。仕事の同僚やお客さんとの日頃の会話も肯定的な内容が多かったので、人と接するうえでのマナーとして徹底されている部分があると感じていました。
日本は挨拶や礼儀などのマナーは厳しいのに、ルッキズム的なことに関してはまだまだ改善するところがあるのではないかなと感じています。せっかく経験できたことなので、人と接するときはもっと自分からポジティブな表現を使っていけたらいいなと思いますね。
取材・文/内橋明日香 写真提供/福田麻由子