二人目不妊で治療を選択。夫とは意見が食い違ったことも

── 46歳目前で第二子を出産されましたが、二人目で不妊治療を経験されたそうですね。

 

三輪さん:二人目の妊活で、2回続けて流産してしまって。医師から「年齢が年齢なので、不妊治療をしたほういい」と勧められました。それで不妊治療を始めたのですが、全然うまくいかなくて…。結果的に、2つのクリニックを渡り歩いた感じです。

 

── それは大変でしたね。不妊治療には、旦那さんも協力的だったのですか。

 

三輪さん:43歳を過ぎてから治療を始めたので、金銭的な補助を受けられなかったんです。だから不妊治療にかかる費用については、夫としては納得がいかなかった部分もあったみたいです。ふたりで納得がいくまで話し合って、最終的に、不妊治療にかかるお金はすべて私が払うから、治療には協力してほしいとお願いしました。そうやって始めた治療なのに、ちっとも上手くいかない。その状況がつらくなり、少し休もうと決めたんです。そのタイミングで自然妊娠したので、本当に驚きました。

 

三輪記子
第二子出産直後の三輪さん

── 今までの生活が仕事中心だと、休業することに不安はありませんでしたか?

 

三輪さん:産後は仕事は極力休まない前提で考えていました。もちろん、妊娠中から出産するまで実際どうなるのかわからないので、不安は不安でしたけど、今回も「子育ては僕がやる」と夫が言ってくれていたので、自分は産めばあとはなんとかなるって考えていました。何よりうれしかったのは、妹ができて長男が喜んでいたことですね。

 

── 2度出産したことで、三輪さんの心境の変化はありましたか?

 

三輪さん:自分が仕事をする理由ができた感じですね。もしも子どもがいなかったら、飲みすぎて野垂れ死んでいたかもしれないので(笑)。

 

── プライベートと仕事とのバランスはどのように取っていますか?

 

三輪さん:弁護士業もテレビ番組への出演もそうなのですが、やりたいことを仕事にしているので、プライベートと仕事との境界があまりないんです。読書や映画鑑賞も全部仕事に繋がっています。

 

── ストレスの発散法はありますか?

 

三輪さん:二人目不妊ですごく悩んでいたときに、「体力がないから妊娠できないのかも」と感じたのがきっかけで、運動をするようになりました。自分に合うスポーツを探すために、いろいろとチャレンジして。今はヨガとピラティスとキックボクシングをやっています。

 

── アクティブですね!

 

三輪さん:キックボクシングはすごくストレス解消になりますね。やるからには上手くなりたいんですよ。キックボクシングは、同年代のママさんもいっぱい習いに来ています。私なんかよりよほど真面目に練習している。子どもが3人もいるのに、めちゃくちゃ練習を頑張っていて、カッコいいアスリート体型をキープしている人もいます。そういう人をみていると、自分はまだまだだって思います。キックボクシングの大会に出ることが目下の目標です。そのためにもう少し痩せないと。

 

── 確かに仕事や育児以外に、楽しめることや夢中になれることがあれば前向きになれそうですね。

 

三輪さん:私は好奇心がないと、生きている意味ない!くらいに思っていて。だから司法試験の受験生のときは、好奇心が常に満たせない状況で、本当にしんどかったんです。

 

今は自分が興味のある分野のことを学びたいだけ学べる環境にあって幸せです。今は「スポーツとジェンダー学会」に所属して、少しずつ勉強しています。スポーツが大好きで、弁護士としてスポーツにかかわるなかで、やはりジェンダーの問題は避けて通れないことを痛感したんです。それでしっかり勉強したいと思って、この学会の門をたたきました。興味のある分野について調べているうちに、さらに学びたいと思って大学の科目聴講生になったことも。みなさんも、学ぼうと思ったらいろいろ方法はあります。いろいろなコミュニティにまずは参加してみるだけでもいい。それなら、お金をかけなくてもできると思います。

 

── 三輪さんは学びの欲求がもともと強いタイプなのかもしれません。

 

三輪さん:学び=勉強と捉えなくていいんです。誰しも何か好きなことがあるはずなので、そういう仕事や家事以外のことに取り組むと、知り合いも増えて刺激が入ってくる。それがお笑いライブでもお芝居でも映画でも、何でもいいんです。何かを始めることは、誰でもできますから。いきなり増やすと負担になるので、徐々にやっていくのが続くコツだと思います。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/三輪記子