情報番組のコメンテーターとしても活躍する弁護士の三輪記子さん。作家の樋口毅宏さんとはSNSを通じて出会い、第1子妊娠をきっかけに結婚。2度の流産と不妊治療を経験しながら2児を出産した現在は、家事と育児のほとんどを夫が担い、三輪さんが外に出て働くという、独自の家族ルールを貫いているそうです。
「本を読んで泣いた」とSNSに投稿したら著者が気づいて
── 官僚を目指して東大に進学するも、周りの優秀さから夢を諦め飲んだくれてしまったこともあるという弁護士の三輪記子さん。そこから奮起し、10年かけて司法試験に合格したそうですね。その後、のちに夫となる作家の樋口毅宏さんと出会ったそうですが、その出会いもまたユニークだったとか。
三輪さん:夫の著書『タモリ論』を読んで泣いたとSNSに投稿したんです。そうしたら、たまたま本人がその投稿を見かけたらしく、SNS上でのやりとりが始まりました。当時の私は弁護士の仕事が忙しすぎて、文化的なことに飢えていたんです。そんなタイミングで彼と出会って。実際に対面したときは、「こんなにおもしろい人には二度と出会わないだろう」って感激しちゃったんですよね。

── 変わっているところに惹かれたんですね。
三輪さん:そうなんです。本人は意図してやっているわけではなく、いたって真面目なんですが、すごく変わってるというか…とにかく言動のすべてがおもしろかった。彼といると一生退屈しなさそうだなって感じました。もともと、弁護士の仕事だけだと息がつまっちゃって、読書をしたり映画を観たりといった文化的な活動を欲するタイプなんです。だから、彼と一緒にいたら、自然とそういうものに触れ合う機会が増えるのもうれしかったんですよね。
── では、結婚まではスムーズに進んだのでしょうか?
三輪さん:全然スムーズではなかったです。というか、最初、彼には「私は結婚したいわけじゃない、あなたとの子どもがほしいだけ」と伝えていて。そののちに、彼との子を妊娠したときも、結婚はせずに産むつもりでした。結婚にこだわらずに子育てすればいいかなと、のんびり考えていたんです。でも、事務所から「弁護士という立場を考えても、結婚したほうがいい」と諭されて。結局、「やっぱり結婚してください」って私からお願いする形になりました。
── そんな紆余曲折があったんですね。39歳のときに第一子を出産されましたが、産後すぐに復職されたそうですね。
三輪さん:はい、産後約2か月で復帰しました。夫は基本的に家で仕事をするので、育児や家事全般も夫が担ってくれることになっていたんです。というか、妊娠中から夫は何でもやってくれていたので。
── 旦那さんは家事が得意なほうなんですか?
三輪さん:家事が得意というか、家事はやらなきゃいけないものなので、「家にいる僕がやるよ」みたいな感じですね。でも、私は職業柄、どうしても在宅時間が短くなってしまうので。私が家にいるときに家事をやろうとすると、夫は「家にいるときはゆっくりしていいよ」って言ってくれたりして。やさしい人なんですよね。
── それはつき合っているときや、結婚を考えたときから相手の性格を見抜いてらしたのですか?
三輪さん:まったく想定していなかったので、ラッキーでしたね。だからこの幸運は逃しちゃダメだって思ってます(笑)。