有吉くんと哀川さんの声は似てると気づき
── ものまねには対象とする人物への観察力が重要だと思うのですが、視覚に頼れなくなったいま、どんな工夫を重ねてこられたのでしょう。芸風にも、変化は生まれていますか?
コージーさん:たしかに「顔真似」のバリエーションを増やすことはもう難しくなりました。でも、そのぶん「声」と「動き」でどう表現するかを考えるようになりましたね。たとえば同じ系統の声ってあるじゃないですか。「この人はあの人の真似ができるかも」と、想像をめぐらせるんです。
以前、朝ドラで竹野内豊さんの声を聞いたとき、最初はてっきり原田泰造くんだと思っていたんです。泰造くんにも「竹野内さんの声に似てるよ」って、言ったら「嘘でしょ」なんて言われましたけど、練習したらきっといけると思うんです。有吉くん(有吉弘行さん)と楽屋で話していたときも、「哀川翔さんの声に似てるよ」と言ったら、彼がそれをものまね番組で本当にやってくれて。
若手にも「この人の声と似ているから、やってみたら?」とアドバイスしたりします。自分がネタをやるのと同じくらい、人の声をプロデュースするのも楽しいです。話し方や息づかい、ちょっとした間にも個性が出るんですよ。

── なるほど。観察力は目だけじゃないとよくわかりました。「声の個性」を聴きわける力が、いまのコージーさんのものまねを支えているんですね。
コージーさん:できないこともありますけど、逆に世界が広がった部分もあります。最近は、『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングをひとりで再現して、珍しいゲストのバージョンをやってみたり、ものまねのレパートリーからひとり『桃太郎』を演じてみたり。鶴瓶師匠が桃太郎で、猿と雉があの人で…と、勝手に配役を決めて物語を作るんです。ワクワクしながらやっていますね。