1969年に社会現象となった丸善石油の「Oh!モウレツ」CM。ミニスカートをはためかせる女性の姿が一世を風靡し、「オー、モーレツ!」は同年の流行語となりました。そのモデルを務めた小川ローザさんは、60歳で介護の道に進み、77歳まで現場に立ち続けていました。

「私の知らない世界は介護だ!」60歳で新たな挑戦

小川ローザ
現在はシニアモデルとしても活躍する小川さん

── 小川さんは、夫・川合稔さんの事故死をきっかけに日本を離れ、イタリアで暮らしたのち、帰国後はシングルマザーとして仕事と子育てを両立されてきました。そんな波乱の人生でしたが、定年を迎えた60歳から、新たな業種に挑戦を始められたそうですね。

 

小川さん:はい。帰国後は、子どものためにも自分のためにも仕事を辞める選択肢はありませんでした。仕事と育児の両立は大変でしたが、それでも家族のために頑張る日々でした。でも60歳を過ぎてからは、自分の生きがいのために働くことに価値を感じたんです。

 

── 定年後はどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

 

小川さん:私は現在79歳ですが、おととしまでデイサービスでヘルパーとして働いていました。定年を迎えて、「家にいてボーッとしていてもつまらないな」と感じていたんです。とはいえ、海外にもたくさん行ったし、いろんなお仕事もしてきたので、やりたいこともそんなにないなと思っていました。

 

そんなときに、知り合いの看護師の方から「これからは介護の時代だよ」と聞き、「私の知らない世界は介護だ!」と思ったんです。それで、60歳のときにヘルパー2級の資格を取得して働くことにしました。

 

── バイタリティがすごいです。

 

小川さん:資格取得後は、デイサービスでヘルパーとして働き、排泄や入浴介助、レクリエーションなどを担当しました。介護の仕事は体力も必要で、自分より体格の大きな方をお風呂に入れることもあります。私に限らず、ヘルパーの仕事は腰を痛めることもあります。腰が痛くて、お休みの日は寝て過ごすこともありました。それでも、仕事をやめたいと思ったことは一度もありませんでした。定年後からおととしまで、15年以上ヘルパーとして働き続けました。