「人と違うところも愛してあげて」と伝えたい

海音
2024年「IZA PINK CHRISTMAS2024」に出演

── 思いきって、越智さんのオファーを受けてよかったですね。

 

海音さん:はい。チャンスが来たときに、飛び込んでみてよかったです。「やってみて、もし違うと思ったらやめればいい」と思って始めたのですが、あのとき越智さんのオファーを断り続けていたら、いま後悔していると思います。やってみたら人生が変わって、生きているだけで楽しくなりました。

 

それからは、いろいろなことに挑戦しています。2021年のパラリンピックで、開会式に出演するキャストのオーディションを受けました。合格して、ダンスの練習に参加していたら、「オリンピックの閉会式にも出てください」と急に言われて。気づいたら、オリンピックの閉会式で、国旗を持って歩いていました(笑)。

 

── これから、やってみたいことはありますか。

 

海音さん:いつか世界で活躍できるモデルになりたいと思っています。そのために英語を勉強したり、ファッションショーのオーディションに参加したりしてがんばっています。

 

足を切断する手術が決まったとき、母がエイミー・マリンズさんという方の写真を見せてくれました。両足義足の方で、パラリンピックにも出場したアスリートです。いまは、モデルや女優としても活躍しています。モデルとして再デビューしてから、私のなかでエイミー・マリンズさんが憧れの存在になりました。私も、同じ境遇の方や、そうでない方に、勇気や希望を与えられる存在でいたいと思います。

 

人と違うところって、自分の嫌いなところになりやすいですよね。私もそうだったから、「人間ってみんな違うのが当たり前。人と違うところも愛してあげて。そこが、自分の個性だよ」ということを伝えていけたらいいなと思います。

取材・文/林優子 写真提供/海音