東京パラリンピックの閉会式でギターを演奏し、注目を集めた義手ギタリストのLisa13(リササーティーン)さん。好きなことを追求して道を切り開いてきたLisa13さんだからこそ、同じ先天性四肢障害をもつ子どもやその親に伝えたいことがあるといいます。また障害を持つ当事者として社会に感じる違和感とは──。
東京パラリンピック閉会式に出て意識が変わった
── 2021年に開催された東京パラリンピックの閉会式でギターを演奏し、一躍注目を集めました。参加されていかがでしたか。
Lisa13さん:今でも鮮明な思い出です。東京パラリンピックの閉会式に出るまでは、義手ギタリストであるというアピールをまったくしていなかったので、最初はなんで私にオファーが来たんだろうと思いました。あとになって、パラリンピックのキャスティング担当の方が、私のバンドの「Moth in Lilac(モス・イン・ライラック)」のインスタアカウントをフォローしてくれていたのがきっかけだとわかって、見ている人は見ているんだ!って、意識がシャキッとしました。
最初にオファーを受けたときはパラリンピックの閉会式だということは伏せられていて。目が見えないキーボードの子や、低身長のドラマーの子とか、障害がありつつ音楽を楽しんでる子たちと一緒に演奏するという内容でオファーがあり、おもしろそうだなと思って引き受けたんです。
それまで障害のあるミュージシャンに出会ったことがなかったので、私と同じような気持ちで音楽に取り組んでいる子たちがいるんだって、すごい新鮮でしたね。出演した後はかなり反響がありました。

── どんな反響がありましたか?
Lisa13さん:テレビ中継で私が先天性四肢障害だと紹介されたので、閉会式のすぐあとに、手がない子を持つ親御さんからインスタにDMがたくさん来ました。「勇気をもらいました」とか、「どうしたらLisa13さんみたいに、子どもに好きなことを見つけさせてあげられるでしょうか」ってメッセージをいただいて。先天性四肢障害で片手がなくても、こういうふうに活躍している人もいるんだって思ってもらえてよかったなと思いました。
それまではバンドのギタリストであり、ファッションモデルだったけど、あえて「義手ギタリスト」って名のることで同じような障害を持つ人に勇気を与えられるなら、アピールしていったほうがいいんじゃないかって使命感みたいなものが出てきて。そこから義手ギタリストとしての発信を始めました。