約20年前に長州力さんさながらのプロレス芸やパラパラ芸で話題になり、以降も芸能界で地道に活動を続ける長州小力さん。いまや50代に突入。体の不調も独り身への思いも、すべての幸福のバランスのうえにあると話を切り出します。
急に耳が聞こえなくなり「いまも耳鳴りが」
── 長州力のものまねとパラパラ芸でのブレークから約20年、芸人としてのキャリアを重ねるいっぽう、50代に突入し、心と体の変化を感じる場面が増えてきて、これまでにない不調にも見舞われたそうですね。
小力さん:これまで自分はストレスに強いタイプだと思っていました。でも50代になり、コロナ禍で心身の不調に悩まされました。ひとつは突発性難聴。ある日突然、右耳がまったく聞こえなくなったんです。予兆はまったくありませんでした。病院に行ったら「もっと早く来なきゃダメですよ!」と、先生から怒られて。
検査の結果、聴力がほとんど残ってなくて、「このまま回復しない可能性もある」と言われるほど重症だったんです。医師からは「突発性難聴は原因がはっきりしないことが多い」と説明され、ストレスが引き金になったのかもしれないと言われましたが、正直、自分でははっきりとはわかりません。さいわい翌日には聞こえるようになりましたが、耳鳴りはいまも残ってますし、金属音や急に響く音が苦手になりました。

── それは大変でしたね。ご自分では気づかなくても、心身に相当な負荷がかかっていたのですね。
小力さん:耳の不調以外にも、心の揺らぎを感じる時期がありました。家でテレビを見ていたら、体が急にほてって汗が噴き出してきて、ネガティブなことばっかりが頭をよぎるんです。「このまま仕事がなくなったらどうしよう」と考えてしまい、何をしても気分が上がらない。その後、友だちと話していたら彼も同じような症状があって、「更年期障害で軽いうつ病」と病院で診断されたらしいんです。男性にも更年期障害があると言われていますけど、あのときの僕は、まさにそれだったんじゃないかと思っています。