「結婚は合理的すぎるとただの同居人になる」と

── お仕事を在宅に切り変えたり、佐々木さんの性格を熟知して向き合ってくれるところは懐の大きさを感じますね。

 

佐々木さん:そうですね。本当にありがたいなと思います。結婚って生活することですから、取り繕っては疲れてしまって。今までの恋愛で素の自分を出せなかったけど、くじらさんと出会って結婚してからは「どこまでさらけ出すの?」というくらいありのままで生きられていて、それってすごく楽ですね。くじらさんは大変かもしれないですけど(笑)。

 

夫婦円満といえば、結婚して1~2年目で愛犬を迎え入れたことも大きかったと思います。夫婦ふたりだけでも、犬がいることでより話すことが増えますし、家の雰囲気は常に犬がいることによって穏やかな感じになりましたね。子はかすがいと言いますが、犬はかすがいになってくれました。

 

── 今年はお子さんも誕生し、仲睦まじいご夫婦の様子もブログから拝見できます。やはり、恋愛マスターともなると、結婚生活をうまく継続するというテクニックもお持ちなのではないでしょうか?

 

佐々木さん:結婚生活についてくじらさんは「結婚って生活だけど、そのなかにムダがないと、合理的すぎてただの同居人になってしまうから、俺はもっともっと結婚生活でムダを楽しみたい。それこそ幸せの醍醐味」と言うんです。外に出る予定がなくても「お散歩しようよ」とか、特段やらなくていいことをやることをすごく大事にしてるみたいで。

 

私は今、育児が大変すぎてできれば休んでいたいし、ムダなことはしたくないと思いがちなんですけど。くじらさんは「俺は夫婦の時間を大事にしたいし、夫婦のムダな時間という娯楽を大事にしたい」と言ってきて、なるほどなと。私はそれを産後おろそかにしていたので反省しているところです。

 

私の母が近くに住んでいるので、月に何回か来てもらっていて。母に子どもを見てもらっている間に、ふたりでランチに行ったり、映画を観に行ったりさせてもらっています。私的には「別に今しなくても…」と、ちょっと思っちゃうんですけど、くじらさんは「いや、そういう時間を大事にしていきたい」と。実際、子どもがいるなかで会話するのとふたりきりで会話するのと違うなと感じます。たとえ1時間でも、そういう時間はきっと大事なんだなと思いましたね。

 

 

今年の2月、おふたりには結婚8年目にして第1子が誕生。夫50歳、年齢差13歳、そして自身の体調不良を考えると、子どもを授かることにたくさんの葛藤があったそう。子どもを育てられるか自信がなかった佐々木さんの背中を押したのは、夫・くじらさんの「俺が育てるから大丈夫だよ」という言葉だったそうです。

 

取材・文/加藤文惠 写真提供/佐々木かい