介護問題に年収格差…歳の差ゆえの悩みも

── 一緒に暮らすにあたって、年の差による悩みもあったと思います。
ちよさん:つき合う前から、介護についていちばん悩んでいました。もしつき合って仮に結婚したとしても、この年齢差だとこちらが先に老いるし、彼に介護させることにもなってしまう。そういうことを考えて、彼とはつき合えないと思っていたんです。
それで、つき合うことになったときに、「今後、私が先におばあちゃんになって介護が必要になったら迷惑がかかる」と彼に話しました。でも彼は「俺がめんどう見るからそんなの考えんでいい、心配せんでいいよ」と言ってくれたんです。そのときは、私は「そうは言ってくれるけれど、そんな迷惑をかけていいのかな」という気持ちでした。その後、何度も同じ話をしたのですが、彼の答えは変わらなかったので、信頼しようと思えるようになりました。
いっぽう彼は、年下ということで年収が低いことを気にしていたようです。でも、私は彼を人としてすごく信頼していたし、この人となら幸せになれると思っていました。「大事なのはお金じゃなくて気持ちだ」と思っていることを伝えると彼も安心してくれたみたいです。
夫の筋トレをサポートし始めたらまさか妻にも
── ふたりのあいだで何か変化したことはありますか?
ちよさん:去年の秋から彼が肉体美を競い合うボディメイクの大会に出ることを目指して筋トレを始めました。私は食事など彼のサポートをするようになったんですが、わからないことだらけで。自分も実際にやってみて勉強しないとだめだと思い、12月から夫と一緒に筋トレを始めました。
私は学生時代はバスケ部だったんですが、社会人になってからはまったく運動はしていなくて。でも、トレーニングのおかげで背筋・腹筋が割れ、上腕二頭筋もついてきています。今では片手14キロのダンベルを上げられるようになりました。
今は週4で自宅とジムで筋トレをしていますが、自宅でトレーニングをするときは彼と声をかけあって励まし合っています。夫が6月に大会に出場したのを見て、私もいずれは大会に出てみたいという気持ちが芽生えてきました。
── お互いにやりたいことを尊重し、支え合っているんですね。
ちよさん:どちらかがやりたいことは否定せず、お互いにやれることは協力しようとよく話していますね。SNSでの発信も、もともとは彼が夫婦でやってみたいと言い始めたのがきっかけです。今は彼が転職して別々の職場なのですが、いつかはふたりでまたなにか一緒に仕事をしたいと思っています。
そのためにSNSで発信することはふたりで協力してひとつのものを作りあげるという面でいい機会だと思っています。また、SNSを通じて同じような年の差カップルの方の悩みや相談を聞いたり、私達を見て勇気づけられる方がいらっしゃるならうれしいです。
取材・文/阿部祐子 写真提供/ちよ