お笑いトリオ・パンサーのメンバーとして活躍する菅良太郎さん。テレビ収録やライブなどで忙しい日々を過ごしていますが、以前は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響で、毎日寝不足や頭痛に悩まされていたそうで── 。

1時間に45回も無呼吸「これは重症だ」

菅良太郎
菅さんの近影

── 菅さんは寝ている間に気道がふさがりうまく呼吸ができない睡眠時無呼吸症候群(SAS)に長く悩まされ、2024年には「舌下神経電気刺激療法」を行ったそうですね。SASかもしれないと気づいたきっかけを教えてください。

 

菅さん:いびきがひどいことは、昔から家族によく言われていました。ただ、10代のころはまだSASという病名があまり浸透していなく、注目され始めたのは2000年代の初期にSASの電車運転士が寝不足の影響で職務中に居眠りをしたことが話題になってからだと思います。

 

僕自身、仕事で同じ部屋になった芸人仲間に「バイク音のようないびきだ」と言われたり、おぼれる悪夢をよく見て目が覚めたりして、まずいとは感じていました。寝てすぐのときってまだ眠りが浅いと思うのですが、そのときからすでに無呼吸の状態が始まっていて…。うとうとすると苦しくておぼれる夢を見て目が覚める。苦しくなるのがいやでなかなか眠れず、深い睡眠ができないのが普通になっていました。

 

── SASの影響でなにか体に不調はあったのでしょうか?

 

菅さん:日中の眠さ、頭痛は常にありました。それでも若いころは体力でカバーしていたので突然、寝落ちするようなことはなく、仕事への影響はなかったと思います。頭痛はかなりひどかったので、鎮痛薬はいつも手放せなかったですね。常に寝不足の状態だったので、お酒を飲んだ日は気絶するように寝ていました。

 

── そのような状態はいつまでつづいたのでしょう?

 

菅さん:30代前半までは自分はSASだろうと思いつつも、病院には行かずそのままにしていました。ちょうどそのころにSASの人が昼間に居眠り運転をして事故を起こしたニュースを見たんです。それでちょっと怖いと感じるようになり、病院に行くことにしました。

 

そのときに行ったのは睡眠専門の病院だったのですが、1日入院をしてセンサーで睡眠時の呼吸数などを測ると1時間に45回も呼吸が止まっていて、医師から「これはまずい、重症だ」と。それでSASでよく行われる鼻に装着したマスクから空気を気道に送り、寝ている間も気道を広げることができる、CPAP(持続陽圧呼吸療法)という治療法を行うことになりました。

 

── CPAP療法は効果がありそうですね。

 

菅さん:すごかったですね。こんなに眠れたのは初めてではないかというくらい、ぐっすり眠れました。ただ、最初はすごく喜んでいたのですが、寝ているときにマスクをつけているのがだんだんわずらわしくなっていって…。たとえるなら、弱めのドライヤーを寝ている間じゅう、口に突っこまれている感じなんですよ。寝返りもしづらく、気づくと寝ている間に無意識にマスクをはずすようになってしまい、1年くらいで挫折しました。