「こういうバカにならないように」とさらし者に

沖田×華
中学校の修学旅行のときの様子

── 中学校時代はどのように過ごしていましたか?

 

沖田さん:中学1年の時期は、小学校よりもつらい思い出が残っています。当時の担任の先生が、みんなの前で私の頭の悪さをからかうような人で…。クラスでテストを返しているとき、採点された答案用紙を私から取り上げて、「こいつはすごく頭が悪いです。こういうバカにならないようにしましょう」と黒板に貼られて、さらされたことがありました。小学校のときは「忘れ物をした」という理由で、先生から怒られたり叩かれたりしていましたが、このときの先生は単純に、私のことが気に入らないんだなと感じていました。

 

── 現代の教育現場ではあり得ない光景ですね。

 

沖田さん:本当に「理不尽」のひと言に尽きます。当時の学校では、それがまかり通っていたんですよね。

 

でも、中学2年生のときの担任の先生は、私に対して誠実に接してくれる人でした。私が廊下を歩いていたら、突然ほかのクラスの先生に「トロトロ歩くな!」と怒られたことがありました。その先生は、怒りっぽい人だったから機嫌が悪かったのかもしれません。しかし、その様子を見ていた担任の先生が、怒った先生に対して「その言い方は間違っている」と言い返してくれたんです。さらに、私に向き直って「お前は悪くないのに、ごめんな」って言ってくれて。先生に謝られたことに、ものすごい衝撃を受けました。

 

これまで「先生は学校の支配者」のような認識でいたので、「先生でも間違うことはあるし、謝ってくれることがある」と知った途端、天地がひっくり返ったような気分でした。私の中学時代は、嫌な思い出も多くありましたが、いい先生とも出会えました。さらに部活にも所属して、チームメイトとは仲よく接することができたので、楽しい思い出を作ることもできました。

 

その後、進学した高校でも、先生や同級生に恵まれて。学校生活で最も楽しい時期となりました。