当時、自分をいじめた人に会ったら
── 現在は、どんな生活をされていますか?
村田さん:夫が自営業なので一緒に働きながら、中学生のときに不登校で通ったフリースクールがあるんですけど、そのフリースクールを運営する支援センターで週1、2回、アルバイトで働かせてもらっています。
── 改めて、今までの人生を振り返ってどう思いますか?
村田さん:今は、この顔に生まれてよかったと思います。中学時代は壮絶ないじめに遭いましたが、今となっては私をいじめた人たちに対しても「ありがとう」と思います。いじめを経験しなかったら、普通に中学、高校、大学と卒業して就職もそこまで苦労しなかったと思うんです。でも、ツラい思いをしたことで、ほかの人には見えない景色を見たし、当事者の会を作ってみんなと交流を持ったり、こうした取材もそうですが、予想しなかった人生が待っていました。
大変な思いをしたとしても、自分が幸せになることで相手を見返せるって聞いたことがありますが、私は今すごく幸せなんです。もし、当時私をいじめた人とバッタリ会っても、普通に話せると思いますね。それくらい元気です。
今はやりたいことがたくさんあります。もちろん当事者の会はこれからも続けたいですし、世の中に発信もしていきたい。また、築110年を超える古民家を譲り受けたので、古民家を開放して、カフェやラウンジ、子ども食堂、何かの集いや会議に使ってもらってもいいですし、みなさんの憩いの場になれたらいいな、と考えています。また、キャンプ場の運営も別に考えています。古民家もキャンプ場も、どちらも根底にあるのは、今を楽しんでいる人はもちろん、私のように生きづらさを抱えた人にとっても、少しでも明るく、自分らしく過ごせるような空間を提供していきたいと思っています。
子どものころからあざでさんざん悩んできましたが、悩んだ日々が過去になって、今の自分なら大丈夫!と思えるようになりました。今は現在、未来に向けて日々楽しく過ごしています。
取材・文/松永怜 写真提供/村田志穂