仕事の方向性を模索し「閉鎖期」と呼んでいた時期

── 夢の共演と言いますか。また、ものまねだけにとどまらず、幅広いジャンルで活躍されました。
福田さん:ありがたいことにバラエティやドラマ、映画、声優、美容など、いろいろなジャンルに挑戦させてもらったと思います。
── しかし、活躍が続くなかで、仕事について悩んでいた時期があったそうですね。
福田さん:自分のなかでは「閉鎖期」って呼んでるんですよね。ものまねをはじめ、いろいろなジャンルに挑戦させていただきましたが、次の展開を考えたときに、この先どうしたらいいのか、少し気持ちに迷いが出てしまった時期のことなんですけど。当時は、仕事が大好きなのに自信が持てず、焦りを感じてしまったんです。私は完璧主義なところがあって、日に日に不安が募ってしまって。
そんな状況でも、当時のマネージャーさんや事務所、お世話になっているスタッフの皆さんが常に親身になって支えてくださいました。マネージャーさんは、私がちょっとでも甘えようものなら見抜いてしまうくらいストイックで、絶対に甘やかしてくれない方だったんです。でも、私が自信をなくしているときには「大丈夫、やれるよ」と、背中を押してくれていました。
いいときもそうでないときも、私の味方でいてくれたうえ、結婚や出産といった人生の節目を迎え「これからは家庭も大切にしたい」という私の気持ちを尊重して、温かく送り出してくれました。そうした支えが、あのころも、そして今も、私にとって何よりの力と励みになっています。
── 今年の4月に事務所から独立してフリーに。そして今後は第2子の出産も控えています。
福田さん:家庭を持って子育てをしていくなかで、これまでになかった新しい価値観がたくさん生まれました。仕事第一でがむしゃらに頑張ってきたころに比べると、今は大切にしたいものがたくさん増えました。
今後、子どもが成長していくなかで、大変なこともきっとたくさんあるかと思いますが、そのぶん、さらにたくさんの大切なものに出会えると思うと、とてもワクワクします。今は家庭と育児を最優先にしていますが、これからも今の自分だからこそできることを大切にしながら、自分のペースで仕事と向き合っていけたらと思います。
取材・文/松永怜 写真提供/福田彩乃