タレントとして活躍する福田彩乃さん。2020年4月に結婚して現在は1児の母ですが、夫と出会った当時は仕事の方向性に迷い、不安を抱えていた時期でした。そんな心をほぐしていったのは年末年始の電話での会話だったそうで──。
犬の散歩がてら顔を出した飲み会だった

── 2020年4月に結婚し、22年4月に第1子となる息子さんを出産された福田さん。現在は3歳になった息子さんと旦那さん、愛犬1匹とで暮らしているそうですが、まず、旦那さんとの出会いについてうかがわせてください。
福田さん:当時、芸人のバービーちゃんと私の家がすごく近くて。大晦日の2日前くらいかな、バービーちゃんから「いろいろな友達を呼んで、うちで忘年会をやるから来ない?」と、急に声をかけてもらったんです。ご近所さんだし、犬を飼っていたので、犬の散歩がてらちょっと顔を出そうかな、くらいの感じでお邪魔してみることにしました。ちょうど2日前に大好きな絢香さんのライブに行ったばかりだったので、ライブのグッズで買った絢香さんのパーカーを着て行ったと思います。
バービーちゃんの家についたのは夜の7時か8時ころ。女性はバービーちゃんの友達や知り合い、仕事関係の方、男性はバービーちゃんの、のちに旦那さんになった彼が、友達や同僚を呼んでいたと思います。女性8人に男性4人だった気がしますが、そのなかに今の旦那さんがいました。
── 忘年会はいかがでしたか?
福田さん:みなさん優しいし、場を盛り上げようと気づかいをしてくださって、明るく賑やかな時間だったと思います。ただ、当時の私は、自分のなかで「閉鎖期」と呼んでいる時期でして。
── 閉鎖期とは?たとえば仕事やプライベートなど、何かに行き詰まっていたとか、そうしたことでしょうか?
福田さん:そこまで深刻ではないんですけどね。みんなが通る道なのかもしれませんが、仕事は大好きなのに、なんだか自信がもてない。今後、自分はどんな方向性でやっていこうかって不安や迷いがあった時期を、自分のなかで「閉鎖期」と呼んでいるんです。2009年にデビューして以降「ものまね」を中心にたくさんのお仕事をいただいて、マネージャーさんをはじめ周りのスタッフの方々にもすごくお世話になっていましたが、さらに前に進むためにいろいろ模索していて。
そんなときに忘年会のお誘いがあったので「正直、バービーちゃんには会いたいけど、知らない人がたくさんいるし、家飲みってちょっと踏み込んだ感じもあるからどうしよう…。でも、犬の散歩ついでに、バービーちゃんに会えるからいいか」と思って参加してみました。
開き直って参加したものの、自分の気持ちの問題なんですけど、仕事のことが頭にチラついて。周りの方々が「何食べますか?」「飲み物たりてますか?」ってすごく気をつかってくださっているのに、あのときの私は楽しい空間にいても、心から楽しむ余裕がなかったんですね。笑顔を作りながらも、戸惑ってしまう自分がいて。
── 周りの気づかいは受け止めながらも、少し複雑な気持ちがあったと。
福田さん:それなら最初から行くなって感じなんですけどね。ただ、私の愛犬がいたおかげで「カワイイ!」「名前なんて言うの?」と、間を取り持ってくれたのはすごく助かりました。愛犬も私の気持ちを察してくれたのか、私の代わりに笑顔を振りまいてくれているようにも見えましたし(笑)。あと、バービーちゃんの思いつきで、みんなでゲームをしたり、リビングに寝転がってプラネタリウム観測がはじまったりして、それくらいから私もお酒が徐々に入ってきて、気持ちがだんだんほぐれていったのかな。犬の散歩でちょっと顔を出すだけのつもりが、結局、朝まで飲んでいましたね。
── 朝まで飲むくらい、みなさん楽しまれたということでしょうか?
福田さん:そうですね。帰るタイミングがわからなかったのもあるんですけど。終電があるから人は少しずつ減っていきましたが、少人数になったことでみんなと徐々にしゃべりやすくなりました。残ったメンバーのひとりに今の夫がいて、そこでやっと会話をしたような気がします。