俳優としてさまざまな作品で活躍する酒井若菜さん。順風満帆に見えるキャリアの裏には、10代で橋本病やシェーグレン症候群などの膠原病、30代でリウマチなど病気との闘いがありました。日々の痛みや葛藤とどう向き合い、気持ちに折り合いをつけてきたのか──酒井さん自身の言葉で、リアルな心境を伺いました。
19歳で医師から「普通の人より寿命が20年短い」と
── 酒井さんは10代から45歳になった今に至るまで、数々の病気と闘ってきたそうですね。2年前に始めたYouTubeのトーク配信でも、これまでかかった病気についてオープンに話しています。

酒井さん:そうですね。昨年は昨年で体調を崩すことも多かったので、ずっと自分の体調と向き合ってきた実感はあります。
── 19歳で2つの疾患がわかったときは、どう感じましたか。
酒井さん:橋本病とシェーグレン症候群はどちらも慢性的な自己免疫疾患ですが、診断時に医師から「普通の人より寿命が20年短い」と言われたんです。そのときの私は19歳。20年生きたことがなかった私にとって、自分の人生を超える「20年」という時間はとても長く感じたんです。「背負うには重すぎる、怖い」と思いました。今の私には過去20年は2週間くらいの感覚ですし、そもそも現代の医療では、寿命への影響はそこまでないと言われています。
── 今も治療を継続しているのですか?
酒井さん:シェーグレン症候群と橋本病は定期健診だけで、リウマチだけ投薬しています。
「痛む場所が変わっていく」リウマチの症状
── リウマチはどのような症状があるのでしょうか。
酒井さん:リウマチの痛みは流動性なので、数時間、数日ごとに痛む場所が変わるのが特徴なんです。私の場合は初期症状が強かったので、当時は肩や腕など上半身が痛い日は、重い荷物を持つと激痛が走ったり、足首など下半身が痛い日は歩けないこともありました。
ただ、診断から10年以上経ち、今は痛みのピークは過ぎています。治療を始めたばかりのころは、副作用で肝臓の数値が悪くなって入院寸前になったり、痛みで身動きが取れないほどの時期もありましたので…仕事どころか「どうやって生きていけばいいのか」と絶望したこともありました。
── そうだったんですね…。でも仕事上「人前では元気な姿を見せなければ」という葛藤もあったのでは。
酒井さん:もちろんそうですね。いちばん症状が深刻だった時期は、仕事が終わって玄関のドアを閉めた瞬間、むせび泣く日々でした。でも、普段の私はヘラヘラしてるので、現場でもわりと大丈夫だと思われがちで。だから今も、家でお風呂に入りながら「うぇ~ん、今日は痛かったよぉ…」と泣く日はありますね。