ぴったりくる言葉があるとしたら…

── 最後に、光代さんにとって寛平さんはどんな存在でしょうか?

 

間さん:「私自身」という一心同体の感覚がありますけど、説明が難しいですね。長年一緒にいると、いて当たり前という関係になり、夫婦は空気みたいって言いますけど、私にはそれもしっくりこない、生きがいというのも違う。ぴったりくる言葉があるとしたら、寛平さんは私にとっての「宝もの」ですね。モノではないので「宝物」ではなく「宝者」。人生の宝物として大事に大事にしておきたいという感じです。

 

──「宝者」って素敵ですね。光代さんは寛平さんのことを「嫌いになったことがない」ともおっしゃっておられましたね。

 

間さん:そう、ないんです。好きになったんだから嫌いにならない。ただそれだけのことです。この人のことわかってて結婚しているから、たとえ腹が立つようなことがあっても嫌いになることはないんですよ。

 

── それくらい寛平さんに魅力があるということですかね。

 

間さん:そうですね (笑)。今はふたりで生活していて、祖父母も亡くなり、子どもも手が離れ、寛平さんの好きなことをしたらいいと思っていたら吉本新喜劇のゼネラルマネジャーを任せていただくことになり、本当にありがたいなと感謝しています。こういう仕事をいただいて、夫婦で会話できることがあって、本当に幸せだと思います。きっとひとりだったらこんなに楽しみなこともないし、ハラハラドキドキすることもないと思います。寛平さんは、ギャグの通り「止まったら死ぬんじゃ」という人ですから、本人の好きなことをやってもらって、それを私が笑顔でずっと見ていたいなと思っています。


取材・文/加藤文惠 写真提供/間 光代 撮影(間 寛平さん分)/伊藤和幸