さらに、不安感に襲われることに

大家志津香
セルフネイルを楽しむ大家さん

── 氷食症の症状があるなかで、22〜23歳のころには自律神経失調症に悩んだこともあったとか。

 

大家さん:それまでは普通に仕事や生活をしていたのですが、ある日突然、なにも起きていないのに不安感に襲われたり、動悸が止まらず眠れなかったりという症状が起こるようになりました。信号待ちをしているときなど、本当に日常の何げない瞬間に起こるんですよね。

 

── それで病院へ?

 

大家さん:病院でカウンセリングをしてもらい、自律神経失調症の疑いがあると言われました。それで漢方薬などを処方してもらったのですが、私自身は原因がわかったことと、薬を処方してもらったことで気持ちがすごく落ち着きました。動悸がしたら薬を飲めば大丈夫と思えるお守りのようなものを手に入れたことで、すごく気持ちが安定したみたいです。結局、薬は一度も飲みませんでしたが、ちゃんとカウンセリングをしてもらってよかったです。おそらく症状が浅い段階、早めに行ったことで悪化しなかったのだと思います。

 

── 結局、原因はわからなかったのでしょうか?

 

大家さん:お医者さんは「ストレスが原因では」とおっしゃってました。私はストレスを感じていないつもりでしたが、おそらく気づいていなかっただけではないかと。たしかに10代のころからAKB48のメンバーとして、つねにまわりと競い合っていたわけで、競う相手が仲のよい友人だったこともあったし、そういう積み重ねで、自律神経失調症になってしまったのかもしれません。

 

一つひとつを真に受けていたら気持ちが落ち込んでしまうので、そういうときは母親に電話をして話を聞いてもらったり、あまり真に受けすぎずに楽観的に考えたりするように、自分のメンタルを整えるようにしました。そのおかげで動悸がするようなこともなくなり、今は落ち着いて過ごせています。

 

 

12年にわたるAKB48としての活動を終え、2024年には俳優の岩田玲さんと結婚された大家さん。今年の夏に挙げた結婚式では、10代のころから離れて暮らしていた両親に、感謝の気持ちやこれまでの自分を見せることができて、安心してもらえたそう。「目指すは自分の両親のような夫婦」だそうです。


取材・文/酒井明子 写真提供/大家志津香