吉本新喜劇のマドンナとして活躍してきたお笑い芸人・宇都宮まきさん。2021年に、お笑いコンビ・アキナの山名文和さんと結婚し、現在3歳と2歳の年子の男児のママとして仕事をセーブしながら育児に奮闘中です。(全3回中の2回) 

「のびのび子育て」に自問自答の日々

宇都宮まき、アキナ・山名文和
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── 現在43歳の宇都宮さんですが、いわゆる高齢出産にあたる年齢での初産だったかと思います。大きなトラブルなどはありませんでしたか?

 

宇都宮さん:おかげさまで妊娠中は特に大きなトラブルはありませんでした。ただ、長男のときは食べづわりがひどくて、20キロも太ってしまったんです。私は無痛分娩を選んでいたんですが、お医者さんから「これ以上太ると麻酔が効かないよ」と言われて。結局、無痛分娩で産むことはできたのですが、長男は3800グラム超えの大きな子だったんで、なかなか出てこなくて。ロープを使ったり、吸引してもらったり…麻酔しているのにすごく痛くて出産は結構、大変でしたね。

 

── 立ち会い出産ではなかったそうですね?

 

宇都宮さん:ちょうどコロナ禍だったので立ち会いはできなかったんですけど、もしできたとしても私は望みませんでした。あまり大変なところを見られたくないというか。私の場合は「生まれたよ」って涼しい顔で言うっていうのが自分の美学だったので(笑)。

 

── にぎやかな年子の男の子の育児に奮闘されていらっしゃる様子がYouTubeチャンネルで伺えます。

 

宇都宮さん:3歳と2歳で、自分のやりたい欲求が爆発している時期ですね。それは正しいことだと思うので、どうやらせてあげられるかがいつも課題です。山名くんも「子どもたちには何でものびのびやらせたい」という考えでなんですけど、「ダメなことはダメ」「これは、危ない」と、ちゃんと言わないといけないし、「パパもママも怒ったら怖いんだよ」って思わせることも大事です。だけど、怒りすぎて子どもが「これやりたい、あれやりたい」って言えない環境にはしたくない。そのバランスがいつも悩むところで、本当に難しいですね。

 

たとえば「危ない」とか「ダメ」と言った理由が「あとで片づけが大変だから」とか、そういう自分の都合や気持ちが入っていたら、よくなかったなと反省します。でも逆に、たとえば先日なんかは、子どもが朝食の「ししゃも」を脇に挟んでたんですけど「何してるの!」と怒る前によくよく話を聞いたら「体温計と同じ形だね」と言うわけです。「確かに、本当だね。よく気がついたね」と、まず褒めることができました。そこから「でもこれは、食べ物だから脇に挟まないでね」と言えたことがあって、「この対応、めっちゃよかったやん!私すごい!」みたいに自分で褒めることも。毎日そんな「反省」と「自分褒め」の繰り返しです。

貧乏経験のおかげでついた「発想力」と「人間力」

宇都宮まき
「ダジャレが得意」というお父さんと幼少期の宇都宮さん

── 余裕のない毎日の子育てのなかで反省したり褒めたりと、自分に向き合うことはなかなかできないことだと思います。たくさんのご経験から身につけられたスキルなんでしょうね。ご自身が4人きょうだいで育ったご経験も、ご自身の子育てに生かせるところがありそうです。

 

宇都宮さん:それはおおいにあると思います。きょうだいが多かったし、裕福な家ではなかったけど、すごく楽しめたのは明るい両親のおかげだったので。母は「よそはよそ、うちはうち」という教えで「うちが貧乏なんじゃなくて、よそがお金持ちすぎる」と(笑)。それで私も「そうか」と。

 

中学生くらいのときにヘアバンドが流行ったことがあったんです。欲しかったんですけど「買ってほしい」って言えなくて。だから家にあった包帯をぐるぐる巻きにして、ヘアバンドみたいにしてみたら「結構かわいいやん!」と思ったり。モノがないからこそ自分で何かを使って近づけるみたいな工夫はできたのかなと思いますよね。何でも買い与えてもらえなかったのは今思うと、ひとついいことだったのかなぁと。自分で発想できる力を養えたみたいなところがあったので。与えすぎもよくないなと感じています。

 

欲しいものがあったら頑張って働く必要があるし、世の中にはお金というものが必要で、お金を稼がないとダメというのも、小さいときから理解していました。いっぱい食べたくなったら一生懸命働かないといけないという、食べていくための人間力や社会のルールは幼少期に家でしっかりと学べたと思います。