32歳の年齢差があるあざらしさん(63)と夫(31)。結婚するとき、義母から大反対され、周りの風当たりも強かったと言いますが、結婚から3年目に入った今、夫婦を取り巻く環境は少しずつ変わって──。(全2回中の2回)
結婚当初、義母は諦めに近い形だった

── あざらしさん(63)と夫(31)は32歳の年齢差夫婦です。ふたりの出会いは、2020年8月、あざらしさんがたまたま入ったカフェで、直前まで座っていた彼が携帯を忘れて戻ってきたことがきっかけだったそうですね。そのときは携帯を渡すだけで終わりましたが、1週間後に電車の中で偶然再会したことで交際に発展しました。その後、2年の交際を経て結婚を決めましたが、当時、あざらしさんは61歳、旦那さんは29歳でした。お互いの家族の反応はいかがでしたか?
あざらしさん:私の父はすでに他界していて、母は地方に住んでいるので、私と夫で母に結婚の話をしに行ったんです。母は開口一番「あなた、こんな子どもを産めない女でいいの?」と夫に言っていましたが、すごく喜んでくれました。また、私は結婚歴があります。21歳で結婚して、子どもが生まれ、48歳で離婚しました。今の夫に出会ったときは、すでに子どもは成人して家族もいましたし、息子は夫の6歳年上になりますが、はじめから快く受け入れてくれましたね。
夫の祖父母、父、妹は結婚について一瞬驚いたものの、「自分で決めたことならいいんじゃない」といった感じで、どちらかというと肯定的でした。ただ、夫の母は大反対。私の年齢が6つ上だったことや、私が年齢的に子どもが望めないことが気になったようです。子どもに関しては「もともと誰と結婚しても、子どもを望んでいなかった」と夫は義母に伝えていましたが、理解を得ることはなかなか難しくて。2022年12月に入籍しましたが、義母は諦めに近い形というか、なかば強行突破で結婚した感じはありました。
── 歳の差夫婦の場合、将来の介護の心配や、年齢を重ねたときに夫婦関係性が変わるのでは、と思う人もいます。
あざらしさん:SNSでも「いずれ捨てられる」「早く別れてあげないとかわいそう」「夫はお金目当てで結婚した」など、今まで何度も言われてきました。その都度、思うこともありましたが、今は自分たちが幸せならいいかなと思いながら受け止めています。
介護に関しては、私が先に介護を受ける年齢になりますが、彼には迷惑をかけたくないと思っています。私に介護が必要になったら、お手伝いさんに家に来てもらって、一緒に買い物に行ってもらったり、部屋を掃除してもらったりと、生活全般を見てもらえるようにするつもりです。私が病気やけがなどで介護認定を受けて、ヘルパーさんのお世話になるかもしれませんが、その場合、介護レベルによってヘルパーさんに依頼できる内容が変わってきて、ヘルパーさんができること、できないことの制限がでると思うんです。できればそうした制限なく、自分が希望したことをお手伝いさんにお願いできたらと思っているんですけど。
── あざらしさん自身が亡くなった後のことも考えていらっしゃるんですね。
あざらしさん:この先もずっと仕事は続けるつもりだし、夫にも必要な暮らしができる程度のお金は残してあげたいと思っています。ただ、再婚する気なら、自分でもお金を稼いでおかないと若い子はきてくれないよ、と冗談では言っているんですけど。夫は私と一緒に結婚紹介所の運営をしながら、他にも仕事をしています。お金があれば、ある程度の生活はできると思っていますし、安定した生活をしてほしいと思っています。