お笑い芸人としてイベントや舞台で大活躍している、お笑いコンビ・ガリットチュウの福島善成さん。20年にも及ぶ長い下積みを経て、モノマネで一世を風靡した福島さんですが、その道のりには病気との戦いがありました。(全3回中の2回)
首の血管がバチン、バチンと波を打った

── 30代後半でブレイクされるまで、極貧生活など大変な時期が続いたと伺いました。体調も崩されたそうですね。
福島さん:そうですね、37歳くらいのときです。今思えば「大殺界」だったんじゃないかって思うくらい、悲惨な時期でした。当時はお金がなくて、朝から深夜までとにかく働きまくっていたんです。ある夜、自宅に帰ると首の血管がバチン、バチンと波打って、手足が痺れてフラフラしてきたんです。「これはまずい」と思って、慌てて奥さんに救急車を呼んでもらいました。
── その後、どうなったんでしょうか?
福島さん:僕は自力で救急車に乗ろうとしたんですが、救急隊員に「動けるのに、なんで呼んだんですか?」と言われてしまって。「すみません、ちょっと血圧が上がりすぎて立てなくなったんです」と伝えて、なんとか乗せてもらいました。
それで、救急車の中で血圧を測ったら、数値が240(笑)。血圧計も200を超えるとエラーが出るらしく、何度も測り直しました。救急隊員にも「相当やばいです。本当にやばいです。よく生きてますね」と言われ、そのまま病院に運ばれました。
── 大変なことになる前に、病院に行けてよかったです…。
福島さん:はい。その後、救急病院で検査を受けましたが結局、はっきりした原因はわかりませんでした。「遺伝的な要因に加えて、生活習慣や疲労で血圧が上がったんだろう」という話でした。薬を飲んで一時的に落ち着いたんですけど、翌日に奈良での営業があったんです。当時は、仕事を断るという発想自体がありませんでした。だから「どんなことがあっても仕事に行かなきゃ」という思いで、入院せずに帰ってしまったんです。
── 大丈夫だったんですか!?
福島さん:そのときは薬のおかげで血圧も落ち着いていました。でも、翌朝起きるとフラフラで「これはまずい」と思いました。それで、強力な降圧薬をもらおうと別の病院に行き、血圧を測ったら210もあったんです。先生に「今すぐ仕事先に電話して仕事を断りなさい。そうしないと、本当に今日死にますよ」と言われました。そこでようやく1週間ほど仕事を休んで、入院することになりました。入院してからは、なんとか血圧も落ち着きました。