2021年3月に膀胱がんの手術を行ったと公表したお笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさん。朝に真っ赤な血尿が出たことで異変に気づき、診察を受けたことで判明したそうですが、突然のがん告知に妻・熊谷麻衣子さんはショックが大きかったと言います。(全4回中の3回)

夫から「がん告知」を聞いた衝撃

熊谷麻衣子
娘さんと食事に行ったとき

── 2021年3月、夫の伊達みきおさんが、ステージ1の膀胱がんと診断され、内視鏡手術で腫瘍の切除をおこなったと公表されました。

 

経緯としては、21年2月のある朝、突然真っ赤な血尿が出たため、夜に病院を受診。CT検査をしたところ異常が見つからず、数日後に膀胱にカメラを入れて検査した結果、2センチの腫瘍が見つかったとのこと。熊谷さんは、旦那さんからどのように病気について告げられましたか?

 

熊谷さん:病院に行った日の夜に「朝起きたら血尿が出て、仕事が終わってから病院に行ってきた。まだ結果はわからないけど、今度、精密検査を受けることになった」と聞いたと思います。後日、検査結果が出ると「膀胱がんだった」と淡々と言われたような気がします。

 

夫は「ステージも初期だから大丈夫」みたいなことを言っていましたが、「まさか夫が…」と思ったし、今まで当たり前にいた人がいなくなったらどうしようって。急に寂しくなったし、後からどんどん怖くなりました。

 

── 膀胱がんと診断され、日を改めて入院した翌日に内視鏡手術をされたそうですね。熊谷さんも一緒に病院に行ったのでしょうか?

 

熊谷さん:荷物とか書類もあるだろうし、私も一緒に病院に行きたかったんですけど、「大丈夫、大丈夫」と、夫はかたくなにひとりで病院に行くって言うんです。手術を合わせて1週間程度の入院でしたが、退院のときでさえ、「病院に行くよ」と言ってもやっぱり「大丈夫、大丈夫」と。さすがに退院の日は「大丈夫」と言われても病院に行きましたが、家族に心配かけたくないのか、本当に大丈夫と思っていたのか。病気や入院については聞けば答えてくれましたが、自分から具体的に話すことはなかったですね。ちょうどコロナ禍だったこともあり、お見舞いにも行くことはできませんでした。

 

── 家族としてはモヤモヤしそうですね。ただ、手術は無事に成功しました。

 

熊谷さん:大丈夫だろうとは思っていましたが、万が一のこともあるから、無事に腫瘍が取れたと聞いた瞬間はホッとしました。術後の経過も良好だったようで、入院中の夫から毎日、連絡がきたんです。1日3食分の食事の写真が送られてきて「完食した」「おいしくいただきました」って、食事のたびに報告が来ました。

 

── 1週間程度の入院を経て退院し、家に戻ったときの旦那さんはどんな様子でしたか?

 

熊谷さん:普通に元気に帰ってきましたね。ナースステーションの人たちとも仲よくなってきたとか言っていて。身体の痛みやつらさはなく、仕事復帰もすぐだったと思います。

 

その後は、今も定期的に検査をしています。同じ病気を患った小倉智昭さんに聞いた話だと、尿管に管を入れて検査をするそうですが、男性にとっては屈辱的に感じる人が多く、かつ、かなりの痛みを伴うそうです。定期検査はすごく憂鬱になって、途中で検査に行かなくなる人もいるそうですが、夫は小倉さんから「定期検査は絶対に行かないとダメだよ」って言われていたらしく、今も我慢して行っています。はじめは3か月に1回くらい検査をしていましたが、今は半年に1回くらいに減りました。