19歳年上の夫とふたりの子どもたちと暮らすイラストレーター・横峰沙弥香さん。最近、小学生の子どもたちの疑問や悩みに答える夫の発言に、数々の名言が散りばめられていることに気づいたそう。最近、夫ががん転移の手術のために入院し、しばらく不在だった際には、子どもたちが「父の背中」を見て多くを学んでいることを実感したそうです。
夫が4度目の入院…子どもたちに留守番を任せたら
2025年6月。大腸から肝臓、右の肺へとがんが転移し、そのたびに手術を繰り返していた夫が、左の肺への転移の手術のために4度目の入院をしました。
ここまでくると慣れたもの──とは言いたくありませんが、さすがに4度目ともなりますと子どもたちの状況理解度や対応力もたいしたもので、仕事の合間をぬって病院通いをするうえでの苦労が格段に減りました。


近所の人に事情を伝えて、すぐにサポートできる体制を整えたうえでのこととはいえ、何時に終わるかわからない手術の間の留守番をさせるのはさすがに心配ではありました。そんななか、そうせざるを得ない状況と理由を小学5年生と2年生の子どもたちが理解していることはほんとうに大きかった。


実際、夫の手術には思ったより長い時間がかかり、私は予定より遅くに帰宅したのですが、部屋に入るなり驚きました。子どもたちは準備しておいた食事を自分たちで温めて食べる、お風呂を済ませておくだけにとどまらず、学校から持って帰ってきたお弁当箱を洗って片づけるとか、小腹が空いたら自分たちで納豆サンドイッチ(!)を作って食べる…なんていうプラスαの対応力まで見せてくれました。

それもこれも「パパもママも大変な思いをしているのだから自分にもできそうなことはできるだけやらなきゃ」という思いからだったのだそうで。病気をしてよかったとは1ミリも思いはしなけれど、悪いことばかりではなかったなとは感じます。