当時21歳だった元読者モデルの妻・未来子さんと結婚して18年になるキングコングの梶原雄太さん。交際当時を振り返り「古い価値観だった」と反省の弁をのべる梶原さんがとったある行動とは── 。(全4回中の4回)

嫁さんには家庭を守ってほしかった

梶原雄太
結婚12年目のお祝いに

── お笑いコンビ「キングコング」として活躍し、その後は「カジサック」としてYouTubeでも成功を収めている梶原雄太さん。5人のお子さんを育てる父親としても知られていますが、独身時代は子どもが苦手だったとか。今の家族像からは、ちょっと想像できませんね。

 

梶原さん:昔は苦手でしたね。だって、子どもっていきなり殴ってきたりするじゃないですか。「なんやこいつら」ってずっと思ってましたもん(笑)。

 

── 意外でした。昔からてっきり大家族に憧れがあったのかと…。

 

梶原さん:全然なかったですね。ただ、自分も嫁さんも3人きょうだいだったので「子どもはできれば3人くらい欲しいね」って話してはいたんですけどね。

 

── 奥さんの未来子さんとは、結婚18年目になります。交際当時、読者モデルとして活躍されていた未来子さんに「芸能界か、自分か」と究極の選択を迫ったそうですね。

 

梶原さん:当時の僕は「嫁さんには家庭を守ってほしい」といった、完全に昭和の古い価値観の持ち主でした。今思えば、時代錯誤もいいところで、申し訳なかったなと思っています。彼女は芸能事務所からいくつも声がかかっていたので、選択肢はたくさんあったはずです。でも、悩んだ末、最終的に僕を選んでくれました。

 

出会ったころは、まだ20歳そこそこ。なのに、頑固おやじみたいに礼儀作法なんかも結構口うるさく言ってしまって。振り返ると、よくついてきてくれたと思います。感謝してもしきれませんね。だからこそ「たくさん恩返しをしなければ」といつも思っていました。

 

── たとえば、どんな「恩返し」を?

 

梶原さん:これを恩返しといっていいのかわかりませんが、4年ほど前から「キッチンリセット」を毎日やるようにしています。家族の夕飯のあと片づけとキッチン掃除ですね。なんせ7人家族なので、夕食後はキッチンがえらいことになっているんです。それを全部片づけて食器を洗い、ピカピカのきれいな状態に戻してから寝ていますね。

 

── 大家族の夕飯の片づけともなると、かなりの負担でしょう。

 

梶原さん:僕もそう感じていたので「これは俺がやるから、やらんでええよ」と宣言して。どれだけ疲れていても、キッチンリセットだけは絶対にやるようにしていますね。

 

ただ、子どもが5人もいるので、本来やって当たり前。YouTubeの撮影でも協力してもらっているので、嫁さんにはかなり負担をかけていますし。だから、できることで返していこうと、いちばんしんどそうな家事を引き受けることで少しでも負担を軽くできれば、と思ったんです。

 

── 実際にやってみて、いかがでしたか?

 

梶原さん:最初はすごくしんどかったですね。でも、今まで嫁さんがこれをやっていてくれていたかと思うと、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

慣れないうちは時間もかかって大変でしたが、今はこのキッチンリセットの時間が自分にとってすごく大事なひとときになっているんです。家族が寝静まったあとのひとり時間に、ラジオを聞きながら自分のペースでもくもくと片づける。終わったあとは爽快感があります。だから、たまに片づける食器が少なかったりすると「ラジオがゆっくり聴けへんやん」って、ちょっとテンションが下がるくらい(笑)。

 

── 有意義なひとり時間として、心のリセットにもなっているわけですね。

 

梶原さん:完全に習慣になってますね。僕は、ハマると突き詰めたくなる性格なんです。ルーティン大好き人間なんで、逆にやらないと落ち着かない。よく「キッチンリセットを毎日やるなんてすごいですね」なんて言われますが、そんな感覚まったくないですね。最初の1か月ぐらいは「俺、頑張ってんなあ」とか「ほめてくれるかな」なんて嫁さんをチラ見したりして。でも、今は自分のご褒美タイムにもなっていますね。