今も円形脱毛症になることがある
── 現在も体調管理には気をつけていらっしゃるのでしょうか。
梶原さん:そうですね。ストレスが身体に出やすいタイプみたいで、今も悩みがあると円形脱毛症になります。2006年には「血管浮腫」という病気(アレルギー反応や体質などが原因で、皮膚や粘膜の下に急激なむくみが生じる症状)も経験しました。突然、足首が腫れて歩けなくなって2週間ほど入院。珍しいタイプだったらしく、日本で38人目の症例だといわれて驚きました。ステロイドの副作用で7キロくらい太り、ニキビにも悩まされましたが、幸い再発はしていません。今は、体のサインを見逃さないようにして、自分と向き合う時間を大切にしていますね。
── 自分とのつき合い方を見直されたのですね。梶原さんのように、さまざまなプレッシャーで精神的に追い詰められてしまう人は少なくありません。そうした方々に、今だからこそ伝えられることはありますか?
梶原さん:ひとりで抱え込まないでほしいですね。僕も当時は、弱みを見せちゃいけない、相方にも迷惑をかけられないと思い込み、その結果、自分で自分を追い込んでしまった。でも、信頼できる人に気持ちを打ち明けるだけでも、心の重荷は軽くなります。自分を大切にしながら、周りの人を頼ることも、ときには必要だと思うんです。
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『はねるのトびら』終了後はコンビだけではなく単独の仕事が増えていきます。しかし、相方の西野亮廣さんの華々しい活躍に対して劣等感を抱くことに。一度は芸人引退を考えた梶原さんですが、妻の言葉に奮起。上沼恵美子さんの「怪傑えみちゃんねる」で再びギアが入り、現在のYouTubeでの活躍に繋がっていきます。再起を図るなかで梶原さんを突き動かした原動力は家族やスタッフなど、「大切な誰かのために」という想いだったそうです。
取材・文/西尾英子 写真提供/梶原雄太