自分が家族を持って思うこと
── 幼少期の経験が、梶原さん自身の家庭観に影響していると感じますか?
梶原さん:自分では、貧しいながらも幸せな子ども時代だったと思っていますが、どこかに「頼りがいのあるお父さんがいる家庭」や「家族で過ごす時間」というものに、すごく憧れていたのでしょうね。だからこそ、自分の手でその家族像を作り上げたいという気持ちが誰より強かったです。満たされなかった子ども時代の寂しさを取り返したいという気持ちが、どこかにずっとあったじゃないかと思います。
── 自分が思い描いていた「こうありたい」という理想の父親像は、どういうものだったのでしょうか。
梶原さん:子どもとちゃんと向き合って、できるだけ一緒に過ごす時間を作る。やりたいことを応援する。そして、なにより子どもの声に耳を傾けて、いつでもそばにいる安心感のある存在。どれも、幼いころの自分が「本当はこうしてほしかった」と願っていたことなんでしょうね。
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複雑な幼少期を過ごした梶原さんは、後に芸人「キングコング」として活躍。『はねるのトびら』にて大ブレイクを果たしますが、多忙を極め、プレッシャーがのしかかった結果、失踪することに。失踪後、しばらく休業した後に復帰しますが、今は当時を振り返り、信用できる人に気持ちを打ち明けたり、人に頼ることも必要だと語りました。
取材・文/西尾英子 写真提供/梶原雄太