「出会わなきゃよかった!」と感情をぶつけた日

── 48歳になった現在は、どういった日々を過ごしていますか?

 

梅津さん:21年に退院し、ビヨンドガールズの活動を徐々に再開しました。23年にはビヨンドガールズの活動を見た方から「ミュージカルに出てみませんか」と声をかけていただき、ミュージカルにも挑戦。さらにミュージカルの関係者の方から「車いすのパラダンススポーツがある」と誘っていただいたんです。パラダンススポーツとは、障がいのある人とない人が競技者として同じ舞台に立ち、表現力と技術力を競う社交ダンスです。せっかくだしチャレンジしてみようと思い、海外は台湾の大会にもいきましたし、国内でもパラダンスの大会に出ています。

 

── SLEを発症して20年になります。

 

梅津さん:病気になってしばらくは、なんでこんな人生になっちゃったんだろうって思いました。本当だったら今ごろは趣味のサーフィンをしたり、子どもを育てたりしながら、大変ながらも充実した日々を過ごしていたんじゃないかなって落ち込むこともありました。でも、病気を発症した後にいろいろな人と出会ってすごく元気をもらえたし、たくさんのチャレンジもできました。疲れているときは、ついネガティブな気持ちに引っ張られそうになりますが、気持ちをプラスにチェンジするように意識していますね。私と同じように障がいのある人たちを幸せにしたいので、自分ができることは何だろうと考えながら過ごしています。

 

また、旦那さんに対しては、結婚して23年になりますが、まさに戦友のように一緒に病気と戦ってきたと思います。彼にはいつも支えてもらいましたが、彼は彼ですごくつらかったでしょうし、私には言えない悲しみがたくさんあったと思うんです。退院した後も「私と結婚しなければ、この人はもっと幸せな人生を歩んでいたんじゃないかな」と思うことがあり、自分で自分を追い詰めて「(旦那さんと)出会わなきゃよかった!」と泣きながら感情をぶつけたこともありました。

 

それでも旦那さんはいつも寄り添ってくれました。私が入院している間は、こっそりピアノを練習して、私の誕生日にビデオレターでピアノを弾きながらお祝いしてくれる姿を送ってくれたこともありました。今までは自分のことで精一杯でしたが、これからは周りの人たちに感謝をしながら、旦那さんや家族はもちろん、周りの方々にも恩返ししながら、楽しく過ごしていきたいなと思っています。

 

取材・文/松永怜 写真提供/梅津絵里