「私と結婚しなければこの人はもっと幸せな人生を歩んでいたんじゃないか…」。25歳で結婚し、27歳で指定難病・全身性エリテマトーデス(SLE)を発症して約20年になる梅津絵里さん(48)。長期に及ぶ入退院を繰り返しながら、自身の障がいと向き合ってきました。(全2回中の2回)
6年におよぶ入院生活を経て退院すると

── 27歳で「全身性エリテマトーデス」を発症し、1か月半の入院と1年間の療養生活を過ごしました。その後、28歳のときに症状が再び悪化して再入院となり、大学病院に1年、リハビリ病院に5年間入院したのち、34歳のときに退院。退院時、移動は車いすでしたが、トイレは自立し、食事は流動食ではなく、通常の食事が可能になっていたとのこと。退院後の生活はいかがでしたか?
梅津さん:私が退院する前にバリアフリーの家を借りることができたので、住宅環境が整った状態で自宅に戻れたのはよかったと思います。家では私が主に家事を担当しましたが、自分ができないことは、旦那さんや週2回程度ヘルパーさんに手伝ってもらいました。
── 退院後もサポートを受けながら順調に生活ができたと。
梅津さん:ただ、退院する前は家に戻ることがゴールだったのでリハビリを頑張りましたが、退院して家に戻ると目標を見失ってしまったんです。病気になる前は幼稚園教諭として働いていましたが、病気を発症したときに仕事は辞めてしまったし、家事をする以外、自分のやりがいとか、生きがいを見出せないまま日々が過ぎていたんです。
また、外に出ても車いすに乗っていると「障がい者」として視線を向けられることがあって、家に引きこもってしまうこともありました。そうしたなかで、旦那さんの転勤が決まって、福岡から東京に引っ越すことになったんです。
── 東京に移住したことで生活に変化はありましたか?
梅津さん:すごく大きな変化がありました。東京で、車いすを利用する方のオーダーメイド服を製作している女性と出会って、その方が関わっている障がい者や難病の女性のためのフリーペーパー「coco Life☆女子部」の存在を知りました。「coco Life☆女子部」には読者サポーターというものがあって、サポーターに登録するとイベントに参加することもできると。私はもともとアクティブな性格だし、何か新しいことにチャレンジできそうだと思って「coco Life☆女子部」のサポーターに登録しました。
同時に、先ほどの車いすを利用する方の服をオーダーメイドをしている女性が主催しているファッションショーがあるから、ドレスを着て夫婦で出てみませんか?」と声をかけてくださったんです。車いすに乗ったまま、しかも夫婦でショーに?と思いましたが、「夫婦の関係性がとてもいいから、ぜひそのまま出てください」と言ってくださって。