「三瓶です」の自己紹介ギャグで、かつて一世を風靡したお笑い芸人の三瓶さん。2001年にブレイクして24年経った今もライフワークとして続けているのが、「ルミネtheよしもと」で定期開催されている舞台への出演です。聞けば、お笑いの舞台には、並並ならぬ思いがあるそうで──。(全3回中の1回)
舞台上の山田花子さんに衝撃を受けた
── ブレイク当時と全然お変わりなくて驚きました。最近はどのような活動をなさっているんですか?

三瓶さん:えっと…たいした活動はしてないんですけど(笑)。
── いやいや(笑)。今日は舞台の合間にお時間いただいて、ありがとうございます。舞台にはよくご出演されているんですね。
三瓶さん:はい、「ルミネtheよしもと」での舞台がメインという感じです。僕が出ているのは10人ぐらいで出演する舞台で、よしもと新喜劇のような、30分ほどのコメディ芝居です。もともと山田花子さんに憧れて、大阪の新喜劇みたいなことをやりたくて、この世界に入ったんです。芸人として活動し始めて2年目ぐらいから、ルミネの舞台にはずっと出させてもらっています。そこだけはブレずに続けていますが、正直、ほかの活動は特になにも(笑)。
── 三瓶さんがお笑いを目指したきっかけは山田花子さんだったんですね。
三瓶さん:そうなんですよ。昔、東京でも吉本新喜劇の番組を放送していて。バイト先の友達がその観覧に当たって「一緒に行かない?」と誘われて観に行ったんです。そこで初めて山田花子さんの舞台を観て、「ああ、こんなおもしろい女芸人がいらっしゃるんだ」と知って。それから「新喜劇っていいなぁ」と思うようになりました。いろいろ調べたら、出演するには養成所に通わなきゃダメなんだとわかって、NSCに入ったんです。
── お笑いはもともと好きだったんですか?
三瓶さん:かなり好きで、よく観ていましたね。中学生のころは『ダウンタウンのごっつええ感じ』にハマり、録画したビデオを自分で編集したりして。でも、自分がまさか「お笑いをやる側」に立つなんて思わずに、当時は生きていました。
── そもそも三瓶さんは、福島の高校を卒業後、東京にある服部栄養専門学校に入学されたんですよね。当時はお笑いではなく、料理の道を志していたんですか?
三瓶さん:高校を卒業した当時は、「将来こうなりたい」という明確な目標がなくて。専門学校は友達が行くと言ったので、便乗しました。上京するきっかけとして行ったという感じで、正直、本気で料理をやろうとは思ってはいませんでした。上京してしばらくして「進路どうしようかな…」というタイミングで、新喜劇に出合って。山田花子さんの舞台を見て、「こういう世界もあるんだ!」って、衝撃を受けたんです。