帯状疱疹発症から7年経った今

ハイヒール・モモコさん
取材後はすぐさまテレビの収録へ。現在も分刻みで仕事に励むモモコさん

── 「まずい」とは、どんな状態だったのでしょう?

 

モモコさん: 疱疹が耳の鼓膜まで広がっていたらしいんです。「このままだと左耳が聞こえなくなって、顔面麻痺になるだろうと思っていた」とあとからお医者さんに言われました。結果的に耳も無事で顔面神経が麻痺せずに済みましたが、あまりの痛みで気絶するかと思いました。それまで、出産とぎっくり腰、骨折がいちばんつらいと思ってきたけれど、そんなの全然。ぶっちぎりの第1位が帯状疱疹でしたね。

 

家で寝こんでいるときも「痛みで意識が遠のいて息が止まったらどうしよう」と思って、子どもに「夜中、生きてるか見に来てな」とお願いしたくらいです。3日間寝込み、ごはんも食べられませんでした。その後も口を開けるのが痛いから、汁物しか無理。体重も10キロ落ちて「おかん、ウエストができてる!」って子どもにビックリされました(笑)。

 

実は、今でも痛みが残っているんです。左側の口の中や唇の周りが痛くて、噛むのは右側で。髪の毛がほっぺに触れるだけで痛いし、マスクもつらいですね。

 

── 7年たっても痛みが残っているんですね。

 

モモコさん:「帯状疱疹後神経痛」という慢性の神経痛らしいです。でも、当時の地獄のような痛みに比べれば、まだ耐えられる程度。あまりにしんどかったので、周りのみんなにはワクチンは自己負担になるけれど、ワクチン接種を勧めています。「お前がそんな痛がるなんて」と、同期の浜ちゃん(ダウンタウンの浜田雅功さん)や雅(トミーズ)も、夫婦ですぐに接種に行ったほどです。

 

──  壮絶な経験をされたのですね。現在61歳になるモモコさんは更年期をどんなふうに乗り越えましたか?

 

モモコさん:私はホットフラッシュがすごかったんです。寒い人は着込めるけど、ホットフラッシュの暑さはどうにもならない。昔は相方が暑がりだったのに今は逆で、いつもエアコンのリモコン争奪戦になりますね。

 

── 楽屋でそんな攻防戦が(笑)。更年期はメンタルの不調を感じる方も多いと聞きますが。

 

モモコさん:気持ちを切り替えるためにも、楽しいことを見つけて、そっちに意識を向けるのが大事ですよね。私は旅行が大好きなので、常に次の旅行の予定を立てています。そのほうが仕事にもハリがでますしね。自分の好きなこと、何でもいいと思うんです。イベントに向けて準備をする時間ってワクワクするじゃないですか。たとえば歌舞伎が好きな人なら「どの演目見よう」「どんな着物を着よう」って考えたり、旅行なら「どこに泊まろうか」「どんなもの食べようか」って現地のことを調べるだけでも心が躍ります。