「地獄のような痛みだった」。54歳で発症した帯状疱疹の状況をそう振り返るハイヒール・モモコさん。実は7年経った今も痛みが続いているそうで──。(全4回中の4回)
24歳で患ったメニエール病が40歳で再発した

── 歯に衣着せぬ軽快な発言でエネルギッシュなイメージの強いハイヒール・モモコさん。実は20代からメニエール病と向き合い、40代でかかった帯状疱疹では「死ぬかと思った」というほど壮絶な体験をされてきたとか。メニエール病とは20代からのつき合いだそうですね。
モモコさん: 最初に症状が出たのは24歳のときです。漫才中にめまいでふらつき、相方のリンゴが「もしかして吐くんかな」って思ったらしいんです。すぐに機転をきかせて舞台を早めに切りあげ、いったん舞台裏に戻ったのですが、その途端、吐いてしまって。その後、複数の病院を回り、メニエール病と診断されました。更年期に多いイメージがあると思いますが、お医者さんには「若くてもなるんですよ」と言われました。
いったん治療をして、ずっと症状が治っていたんですが、40歳になったころに再発したんです。そのときはかなり重症で、船酔いのような吐き気と立ちくらみが続きました。立っていられないので、漫才はとても無理。相方と相談して、スタジオやロケなど、座っていられるような仕事にシフトしていきました。でも、耳鳴りやひどい二日酔いのような状態が続いて、つらかったですね。
── 再発された時期は、暮らしやお仕事でもいろんな変化があったころだったそうですね。
モモコさん:そうでしたね。3人目の出産に加え、新番組がスタート、新居の購入といろんなことが一気に重なっていて。さらに、相方が不妊治療で休むことになったタイミングで「どうしよう…」と不安もあって。今思えば、プレッシャーがかなり大きかったのでしょうね。薬でなんとか症状を抑えながらやっていましたが、副作用で眠くなるので、楽屋ではいつも横になっていました。今も「そろそろ出るかも」という雰囲気はわかるので、そのときは薬を飲むようにしていますね。
── 2018年には、帯状疱疹も経験されています。
モモコさん:ある日突然、左の口の近くがピリピリと痛み始めたんです。最初は「おたふくかぜかな?」と思って内科を受診したけれど、検査をしても何も出ない。次に歯医者に行ったけどそこでも異常なし。そんなふうにあちこち回ってるうちに、耳の横にブツブツが出てきて、大きな病院で「帯状疱疹」とようやく診断されました。
本来なら発症してから48時間以内に薬を飲めば重症化しにくいらしいんですけど、私の場合、診断まで4日くらいかかってしまったので、症状が進んでいたんです。診断中、カメラで耳のなかを見ていたお医者さんから、「これはまずいぞ…」と言われて。