キャラ弁流行らせたの誰やねん(笑)

── 3人お子さんがいらっしゃるなか、いちばん上のお子さんと下の娘さんで7歳離れていると、子育て期間は長くならざるを得ませんよね。

 

モモコさん:そうなんです。もう60代なのに、この4月まで学費を払ってましたからね。周りはおばあちゃんになってるのに、私はまだ毎日お弁当を作ってましたから。

 

── お子さんが3人いるとお弁当作りも大変ですよね。著書『ヤン暦』のなかには、モモコさん作の個性的な「キャラ弁」コレクションも掲載されていました。

 

モモコさん:いちばん下の娘が学生のころにキャラ弁が流行ったんです。お弁当作りだけでも大変なのに「流行らせたやつ誰やねん!」と思ってました(笑)。子どもに喜んでもらいたいから作るんですが、わざわざ材料をそろえる時間がない。だからあるものでパパッと作ってましたね。

 

── トランプ大統領のキャラ弁もありましたね。何と言いますか…予想の斜め上を行く斬新さでした。

 

モモコさん:ちょうどワイドショーを見ていたらトランプさんが出てきたんです。「あ、ウインナー切ったら、あんな髪型になるな」とか考えながら、その場にあるもので作って。あるときは、黒ごまがご飯の上にバッとこぼれたから「チューリップの花に群がるアリ」に急きょ変更。あとから子どもに「あんなん気持ち悪いわ!」って怒られましたけど。でも、毎日楽しみにしてくれていたみたいです。長女が高3の最後のお弁当の日は、学校で動画を撮ってくれて。「ママのお弁当で~す。毎日友達が集まってきて見に来ます」とお弁当を開けたら、ドッと笑いに包まれて…。

 

── お弁当でもひと笑いを起こすだなんて、さすがです。

 

モモコさん:別にこっちは笑かすつもりで作ってるんじゃなかったんですけどね(笑)。でも「ママ、ずっと長い間、お弁当作ってくれてありがとう」って動画でメッセージをくれて。思わず、うるっときちゃいました。

 

 

3人の弁当作りをしながら金銭感覚も大事にしたと語るモモコさん。2人の息子にお小遣いは渡さずバイトで稼ぐよう伝え、バイト禁止の学校に通っていた長女にはその都度プレゼン形式で必要なお金を交渉。お金の大切さを教えていきました。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/ハイヒール・モモコ