新しく知った言葉を友だちとの会話で意識的に使う

夏休みの時期は「台風一過」など、耳慣れない言葉に出合う機会はあるけれど、聞いただけではなかなか覚えられません。そんなときメンバーの1人は、友だちとの会話のなかで繰り返し使うことを意識していたそうです。

 

「小学校高学年のころ、親や先生が知らない言葉を使っていたら、どういう意味かを聞いて、日常会話で意識的に使って練習していました。授業などで難しい言葉が出たときなどは、友だちと遊び感覚で『今日は“台風一過”だよね〜!』『要は、夏休み明けのテストが終わって清々しい気分、ってことね!』みたいにわざわざ使うんです。大学生になった今も、会話や発表で伝えたい意図をビシッと的確に表現できると、とても気持ちがいいです」(AnotherVisionメンバー/横浜国立大学 理工学部3年)

 

新しい言葉を会話にどんどん取り入れていくことで、意味がしっかり定着していくし、普段から会話のレベルが上がっていきそうですね!

イラスト・漫画つきの書籍や辞典をフル活用

本を読んで覚えようとしても、文字ばかりだと読むことがイヤになってしまう子も。そこで、素敵なイラストや楽しい漫画が盛り込まれた本を活用していたというメンバーがいました。

 

「小学校低学年のころ、楽しいイラストや漫画が載っている書籍や辞典を何度も読んで、言葉と意味と情景をセットで覚えていました。頭にイメージを浮かべながら、楽しく覚えたのが効果的だったと思います。たとえば、ギョロ目のキャラクターが“眼光炯々”と言っているシーンは、今も鮮明に覚えています。ほかにも、社長から若い社員までが一列に並んで伝言ゲームをしているシーンの“上位下達”など、本で覚えた言葉のイメージがいくつも頭に思い浮かびます。

 

美しい風景を見たとき、単に「きれい」と思うだけでなく、“柳緑花紅”“白砂青松”“星河一天”“山紫水明”“刻露清秀”…と、うってつけの表現ができると目の前に広がる景色がより鮮明に見える気がします。語彙力をつけることは、世界の解像度を上げることだと思っています!」(AnotherVisionメンバー/早稲田大学 基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻 修士1年)

 

「AnotherVision」の謎解き制作会議では、『その謎解きのどこがおもしろいのか』を説明する必要があるそうですが、そこで適切な言葉選びができて意図を簡潔に伝えられると、その後の制作をスムーズに進行させられるので、語彙力を鍛えてよかったと感じるのだそう。

 

3人とも難しい言葉を自分が親しみやすい、身近なフィールドに落とし込み、楽しみながら学んでいたのが共通点。これが、国語が苦手な子にとっても、身につけるための大きな近道と言えるかもしれません。その子によって「楽しい」と感じるポイントは違うので、今年の夏休みはそれを踏まえて、親子で「楽しく語彙を学べる方法」を探してみてはどうでしょうか。

 

イラスト/山本あり