悲しむかもしれないけれど、後悔はない
── 絶縁から20年経って今どんなことを思いますか。
坂本ちゃん:母と弟にはいっさい会ってないので穏やかですね。弟は家を出たようでどこにいるかわかりません。母は、あるとき区役所から連絡がきて、「母の後継人になってくれないか」と、連絡がきましたが、ていねいにお断りしました。今は施設で暮らしているようです。
母はいい歳だと思うので、いつ亡くなってもおかしくないとは思いますし、母が亡くなったと連絡がきたら、もしかしたら悲しむかもしれません。でも自分が決めたことですし、冷たいと思われるかもしれませんが、自分ができることはやったと思います。後悔はありません。今は遠くで暮らしているであろう、家族の幸せを願いながら、自分は自分で穏やかに生活できていることに幸せを感じています。
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今は穏やかに暮らしている坂本ちゃんですが、近年は生活習慣の乱れから、ピーク時は体重が90キロに。前立腺肥大と糖尿病の診断も受けるなど、健康面の問題が話題になりました。しかし、病気がきっかけで自身の健康について考え直すように。現在は毎朝4時起きで7時就寝、毎日2時間のウォーキングを欠かさないなど、健康的な生活を送れるように。糖尿病の通院も無事に卒業し、来年でついに60歳を迎えるそうです。
取材・文/松永怜 写真提供/坂本ちゃん