決めつけると、呪いになる

── 似合う服を着るんじゃなくて、好きな服に自分を寄せていくんですね。はるさんのように年齢を重ねていけたら素敵だと思うのですが、何か人生において心がけていらっしゃることやマイルールはありますか?

 

はる。さん:なんやろな…。「こうあるべき」っていうのはあんまりないですね。決めつけてないです。あんまり決めつけちゃうと、それも呪いになっちゃうんで。

 

──「自分にルールを課さないのがルール」という感じでしょうか。

 

はる。さん:そうですね。私よりも年下の方たちって、小さいころに親から言われてきた「何歳になったらこうしなさい」みたいな言葉に惑わされすぎだと思うんです。それは親からの呪いだと思う。自分らしく生きてほしいですね。

 

── ちなみにはる。さん自身も3人のお子さんを育て上げたそうですが、どんなお母さんだったのでしょうか。

 

はる。さん:全然、完璧な母親じゃなかったです。 知らず知らずのうちに私も子どもたちに「ああしなさい」みたいなこと言ってきたと思うんですよね。ただ、いつも機嫌よくいよう、とはしていました。それがいちばんいいかなと思って。

 

── それに尽きますね。いつも機嫌よくいるための秘訣はありますか。

 

はる。さん:好きなことをすることですね。落語を聞きに行ったり、最近は筋トレにもハマっています。お休みの日はサブスクで映画やドラマを観ながら、昼からお酒を飲んでますよ(笑)。

 

── 最高ですね!お仕事は書店員とのことですが、いつから働いているんですか?

 

はる。さん:子育て中はなかなか働きに出られなかったんですけど、本を読むのは大好きだったんです。下の子が保育園に入るタイミングで、近所の本屋で店員を募集しているのを見つけて応募しました。当時45歳だったんですが、たまたま採用されたのでやってみたら、なんて楽しい職場なんやろうと。今16年目ですね。コミックス担当なんですけど、漫画が好きなので毎日楽しいです。

 

── 多趣味なんですね。お話を伺っていると、年齢を重ねても楽しいことはたくさんあるんだな、と勇気づけられます。

 

はる。さん:むしろ私、50代からがいちばん楽しいです。好きなことばっかりしているんで。子育て時代はサブスクもなかったので、今はいい時代になったなと思っています。

 

── ちなみに旦那さんははる。さんのご活躍ぶりにどんな反応をしていますか?

 

はる。さん:夫は「僕を巻き込まんといてな。巻き込みさえしなければ何してくれてもいいよ」といつも言っています(笑)。

 

── 微笑ましい会話ですね(笑)。これから挑戦してみたいことはありますか。

 

はる。さん:Podcastはやってみたいです。フォロワーさんの中には「お話ししたい」と言ってくださる方もいるので、質問にお答えしたり、子育てやファッションについてお話したりしてみたいです。それを聞いて、ちょっとでも元気になってくださる方がいたらいいなと思います。

 

取材・文/市岡ひかり 写真提供/はる。