62歳とは思えないカラフルなファッションがInstagramで話題となり、3.5万人からフォローされるはる。さん。かつては「ママ友のあいだで浮かないように」と無難な服を選んだ彼女が、個性的なファッションを全力で楽しめるようになったきっかけとは?(全2回中の1回)

娘の友達のひと言で「浮かないようにしよう」と

── カラフルなお洋服を着たお写真がInstagramで話題です。今のようなファッションに目覚めたきっかけを教えてください。

 

はる。さん:高校卒業後に「大阪モード学園」というデザインの学校で、洋服のデザインや縫製、パターンの勉強をしていました。80年代はDCブランド全盛期で、ヨウジヤマモトやコム・デ・ギャルソンなど、いわゆる「カラス族」と呼ばれるカチッとした黒い服が流行っていて。私もそういうモードな服を着ていたんです。90年代に入ってからは原宿の裏通りで流行したストリートファッション「裏原系」も好きになり、どちらもよく着ていました。自分好みのアイテムが売っていないときは、自分で作ったりもして。

 

ただ、その後、結婚して子どもが生まれてからは、周りのママ友のあいだで浮かないように、リネンやボーダーといったナチュラルテイストの服を選んでいました。

 

はる。
ママ友づきあいを気にしていたころによく着ていたリネンのワンピースを着るはる。さん

── なぜ「ママ友のあいだで浮かないようにしよう」と思ったんですか?

 

はる。さん:娘が小学生のころ、私の好みでちょっと派手な服を着せていたんです。そしたら、娘が友人から「いつも服、派手やんな」みたいに言われたようで。今思えば、気にしすぎだったと思うんですけどね。だけど、服装がきっかけで娘がまわりから浮いたり、仲間はずれとかにされたらかわいそうだな、と思って。それで「私も周りから浮かないようにしよう」とシンプルな服を着ることにしたんです。ただ、靴だけちょっとカラフルにするとか、ちょっとだけ自分のこだわりをたして、それなりに楽しんでいましたね。

20代のアイドルに「お母さんおしゃれ!」と褒められて

── さりげなくこだわりをプラスしていたところから、今のように全身カラフルなファッションになったきっかけはなんだったんですか?

 

はる。さん:50歳を過ぎて、子育てが終わりを迎え、やっと自分の時間ができたぐらいのタイミングで、今は漫画家として活動している長女が、とあるアイドルの衣装をデザインすることになったんです。それで「お母さん、縫製とか手伝ってくれない?」と誘われて。

 

そのとき、昔好きだった裏原系ファッションで打ち合わせに行きました。そしたら、現場に来ていたアイドルの女の子たちから「お母さん、すごいおしゃれ!」って褒めてもらえたんです。それで「好きな服を着て褒めてもらえるのってうれしいな」と思うようになって。服のテイストがどんどん変わっていきました。その後、2019年ごろに「Instagram始めたらウケるかな」と軽い気持ちでインスタを始めました。娘たちに教えてもらいながらでしたけどね。

 

はる。
取材時の服装も素敵でした。トップスは「マーキーズ」という子ども服ブランドのもの

── 無難なファッションから自分らしい服に変わって、以前つき合いのあったママ友からの反応はいかがでしたか? 

 

はる。さん:突然カラフルな服装に変えたというよりも、グラデーションのように徐々に派手にしていったんです。だから、あまり人から何かを言われたことはないですね。ママ友からは「会うたびにカラフルになってるね」って言われたことはありますが、「子育ても終わったから、楽しまなくちゃね~」と返事をしていました。