父が複数のパートナーを持ち、6人の異母兄弟がいる人気インフルエンサーのYunaさん。母と妹の3人で10歳でハワイに移住してからは父と疎遠になり、経済的にも困窮。幼いころは「父が母を苦しめた」と思っていたそうですが── 。(全3回中の3回)

父のことは正直、大嫌いだった

Yuna
2024年2月、ロサンゼルスにて。物憂げな表情のYunaさん

── 6人の異母兄弟がいるという複雑な家庭環境で育った人気インフルエンサーのYunaさん。日本と中国で幼少期を過ごした後、10歳で母と妹とともにハワイに移住してからは、経済的な困窮も経験しました。大人の都合に翻弄されながらも、力強く人生をサバイブしてきたYunaさんが、12年間会うことのなかった父親と再会したのは22歳のとき。「お母さんを苦しめた人」として憎しみを抱いていたお父さんと会うことを決めたのは、なぜだったのでしょうか?

 

Yunaさん:幼少期に日本で生活していたころは父が家に帰ってくるのは、週に1回あるかないかで、6歳で北京に移ってからは3か月に1度くらい。それでも「うちはそういう家なんだ」と、幼いころは何の疑問もなく受け止めていました。でも、成長するにつれて、母が泣いている姿を何度も見るようになり、「父が母を苦しめている」という現実を理解していきました。

 

幼少期は裕福な暮らしでしたが、母が父から離れて自立するために、私と妹を連れて10歳でハワイに移住してからは、経済的にも苦しい日々が続きました。気持ちが不安定な母と妹を支えるのはすごく大変で。そうした背景もあって、父のことは正直、大嫌いだったんです。

 

── そこから、どのような心境の変化があったのですか?

 

Yunaさん:20歳のときに母と大ゲンカをして絶縁状態になり、離れて暮らすようになったことで、それまで嫌っていた父に対して「実際はどんな人なんだろう」と気になり始めました。ずっとひどい人だと思っていたけれど、数少ない記憶のなかの父は、いろんなことを知っていて、おもしろい話を聞かせてくれる魅力にあふれた人でもありました。私自身が成長して、物事を客観的に見られるようになってきたタイミングだったので、今ならフラットに見ることができるのではないかと思ったんですね。

 

──「会ったら傷つくかもしれない」という不安はなかったのでしょうか?

 

Yunaさん:まったくなかったです。そもそも「父」として何かを求めていたわけでも、「愛されたい」という気持ちもありませんでした。ただ、会ってみたいと思ったのは、「どんな人なのか知りたい」という純粋な好奇心からでした。むしろ、執着や期待がなかったからこそ、気負いなく会いに行けたんだと思います。