子どものころから憧れていた夢が捨てきれず、88キロから1年で約40キロもやせて、アイドルになった琴奈さん。夢は叶ったものの、急激にやせた代償は大きく、心身に影響が出てしまい── 。(全2回中の1回)
歌手を目指して88キロ→47キロに減量

── 現在はプラスサイズモデルとしても活躍されている琴奈さん。子どものころから体重の変動が大きかったそうですが、小学校、中学校のころの体型はいかがでしたか?
琴奈さん:小学6年生のときは身長157cmで60キロ、中学3年生で身長161cmの67キロくらいだったと思います。小学2年生のときに両親が離婚して、母と姉、私、妹の4人で暮らすようになりました。母が忙しい日は菓子パンで済ますこともありましたが、ふだんは母の手料理を食べて育ちました。
── 高校生になるとどんな生活をしていましたか?
琴奈さん:お昼が給食からお弁当になり、コンビニでお昼ご飯を買うことが多くなりましたね。高校3年生のときにひとり暮らしを始めたんです。世間的には少し早いかもしれませんが、ひとり暮らしへの憧れがあったんです。離婚後も連絡をとっていた父を含め、家族の反対もなかったので、まずは始めてみることに。実家にいたころは、夜遅くまでお菓子を食べていると「いつまで食べているの」と母からしょっちゅう小言を言われたんですけど、ひとり暮らしになると誰も何も言わないじゃないですか。夜ふかしをしながらお菓子をダラダラ食べる時間が増えて、高校を卒業するころには77キロになっていました。
── 中学卒業時が67キロくらいだったので、約10キロ増えたと。高校卒業後はどんな生活になったのでしょうか?
琴奈さん:フリーターになり、バイト生活をしていました。昼の休憩では近所の中華屋でラーメンやチャーハンを食べ、夜はスーパーで半額になった総菜を買って帰ることが多かったですね。夕食後はファミリーサイズのポテトチップにコーラ、チョコを食べながら朝の4時くらいまでDVDを観ていて、昼夜逆転していた時期もありました。気づいたら、高校を卒業して1年で88キロになっていましたが、自分のなかではあんまり太っている自覚がなかったんです。もともと、ゆったりしていた服を着ていたので、服がキツくなった感じがしなくて、「こんなもんかな」くらいで深く考えていませんでした。
ただ、実家に帰るたびに「太った」って母には言われていたんです。あまりに体型のことを言われるので多少は気にしていましたが、「今はたまたま太っているだけ。やせようと思えばすぐにやせられる」って思っていました。
── そんななか、芸能活動を目指すようになります。
琴奈さん:子どものころから芸能界の仕事に興味があって、歌手に憧れていたんです。高校生になると芸能事務所のオーディションに応募するようになって、運よく書類審査が通ってオーディションに行きましたが、審査員の方にも「まずはやせてからきて」と言われたことが何度かありました。
── オーディションをきっかけにダイエットをすることはあったのでしょうか?
琴奈さん:オーディションから1週間くらいは気にして食事量を減らすんですが、続かなかったですね…。でも、22歳のときに「さすがにこのままではまずいな」と思って。歌手としても年齢的にもギリギリだったので、一念発起してダイエットをすることにしたんです。毎日ジムに通うようになって、ジムで1日6時間運動しました。食事は1日1食のときもあれば、朝はりんご、昼は野菜やこんにゃく中心のお弁当を持参、夜はタンパク質が入ったプロテインみたいなもので済ませるとか。運動と食事はかなり意識しました。その結果、体重がどんどん減っていって、19歳のときに88キロだった体重が、23歳で47キロまで減らすことができて。本来歌手を目指していましたが、たまたま12月にアイドルのオーディションがあって春にはデビューとあったので、歌手とは方向性が若干違うものの、まずは無事に芸能事務所に入ることができたんです。