洋服は小学2年生のサイズと同じ

── そうだったのですね。日々の生活で、ほかに何か工夫されていることはありますか?たとえば、服選びや交通機関での移動などはどうでしょう?

 

星来さん:洋服は、小学校2年生のサイズと同じなので基本的には子ども服を着ています。ただ、好みのデザインが見つかりづらいのが難点ですね。手足は普通の大人と変わらないのでサイズ感が難しく、必ずお店で試着して買っています。下着は胴が短いので、ストラップの長さが調整できるものを選びます。

 

電車やバスの移動は、ラッシュ時を避けています。大学1年生のときに運転免許を取ったので、今は車通学です。軽自動車ならクッションを使えば運転は問題ありません。

 

── 多岐にわたる活動をされている星来さんですが、今後の芸能活動ではどんなことに挑戦したいですか?

 

星来さん:大きくわけて3つあります。まずは、低身長モデルとしての活動。身長が低くても工夫次第でおしゃれを楽しめ、自分らしさを表現できることを伝えたいです。2つ目は、身体的特徴を活かして演技の仕事をすること。海外では、障がいのあるキャラクターを当事者が演じることが多いと聞きますが、日本はまだ進んでいません。当事者本人が演じることで、よりリアルな世界観が生まれると思うんです。3つ目は、講演会などで自分の考えを伝える活動です。特に、医療や福祉、保育や教育の分野には届けたいことがたくさんあるので、今後はそうした活動にも力を入れていきたいですね。

 

── SNSで「障がいがある人生も悪くない」と前向きな発信をされているのが印象的です。その言葉には、どんな思いが込められているのでしょうか。

 

星来さん:私の夢は、どんな人でも自分の可能性を信じて生きられる社会をつくること、そして、違いを持つ人たちが互いに寄り添える共生社会を実現することなんです。この体で生まれたからこそ気づけたことであり、当事者である私が発信することで、できることがあると思っているんです。

 

たしかに、障がいがあることでマイナスに感じることもありますが、私としては、それをプラスに活かせている部分のほうが大きいと思っています。私自身は今、とても幸せなんです。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/アクセシビューティーマネジメント、星来