誘拐犯も困惑するほど貧しい家庭だった

── そのころ、誘拐事件に巻き込まれたことがあるとテレビ番組で話していらっしゃいました。
副島さん:小学校2年生のときです。両親の仲が悪く、義理の父とうまくいっていなかったので、夏休みなどは家にいたくなくて夜遅くまで外にいることがありました。近所にナイター設備のあるサッカー場があり、アスレチック広場も併設されていたので、23時ごろまでそこで時間をつぶして帰宅していたんです。警察や大人に見つからないよう、遊具に隠れていました。ある日、中東系の男性2人組に「何してるの?アイス買ってあげるよ」と声をかけられ、ついて行ったらアパートの一室のようなところに監禁されました。
── それは怖かったですね…。
副島さん:何をされるかわからなかったので恐怖でした。2人組は身代金が目的だったようで家の電話番号を聞かれたのですが、わが家は貧しすぎて電話代を払っていなかったので、電話が通じないわけです。男たちは困惑して怒り出すけれど、携帯はないから連絡のとりようがない時代ですし。そうこうするうちに隙を見て、アパートの窓から逃げ出しました。さいわい2階だったので草地を狙って飛び降りることができ、警察に駆け込んで犯人がつかまりました。僕がパトカーで帰宅したので、母親はびっくりしていました。『ダウンタウンDX』でこの話をしたのですが、共演者のみなさんは若干、引いていらっしゃいました(笑)。