美輪さんのひと言で金髪に「運気も上がって」

── 独自の美意識で、いけばなの枠を超えた表現に挑み続けてこられた假屋崎さん。ご自身の肩書にある「元祖華道家」には、どんな思いが?

 

假屋崎さん:じつは「華道家」という肩書を使い始めたのは、私が初めてなんです。だから「元祖」。メディアで肩書を求められ、「華道の世界だから華道家でいこう」と名乗り始めたら、その後、いろんな「〜家」が世の中に増え、猫も杓子も華道家と名乗るようになったので、私は「元祖華道家」と名乗っています。なんだか、どこかの温泉まんじゅうみたいですけど(笑)。

 

── 肌ツヤもよく、とても66歳とは思えませんね。

 

假屋崎さん:何もお手入れはしていないんですよ。化粧水やクリームは使わないし、エステにも行きません。歯磨きも歯磨き粉は使わず、ブラシで磨くだけ。自然任せです。唯一、髪の毛だけはオーガニックの製品を使っていますが、ケアといえば、それくらいですね。

 

── 假屋崎さんといえば、金髪のロングヘアがトレードマークですが、維持するのは大変では?

 

假屋崎さん:当時はそもそもポリシーがあって伸ばしていたわけではなく、単に忙しくて美容室に行けずにいたら、伸びてしまっただけだったんです。昔は黒髪でしたが、あるとき美輪明宏さんから「黒って魔界の色よ」と言われ、「じゃあ金髪にしてみようかな」と染めたのが始まりでした。金髪にしてから運気が上がって、私自身のトレードマークにもなったので、そのスタイルが定着していたんです。

 

でも、カラーリングは肌に負担があるし、3週間に1回の頻度で染めるのでお金もかかる。だんだん「ムダだな」と思うようになって、コロナ禍を機に美容室へも行かなくなり、いまは染めてさえいません。

 

ロングヘアにして20年くらいになりますが、正直、もうめんどうくさい(笑)。洗うのも乾かすのも時間がかかるんですよ。女性の場合、髪は女の命なんて言いますが、私にとってはただの商売道具のひとつで、自分を演出するアイテムなだけ。そろそろ芸能界とはひと区切りつけてもいいかなと思っているので、そのうち短髪やスキンヘッドにするのもアリかなと、いろいろ考えているところです(笑)。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/假屋崎省吾