白髪染めした髪を切って「これだ!」と

── グレイヘアへはどんなふうに移行されたんですか?
simejiさん:それまで1か月に1回通っていた美容室にいっさい行かず、ひたすら髪を伸ばし続けました。当時は白髪と黒髪が半分半分くらいの割合だったので、後ろでしばるとそんなに目立たなかったんです。だから、仕事に行くときはカチューシャを使ってひとつにまとめて結んだり、友達と会うときはニット帽をかぶって隠したりしていました。伸ばしているときは見苦しかったので本当にいやでしたね。
10か月後にはグレイ部分がショートへアくらいの長さになったので、白髪染めしていた部分をばっさり切りました。そのとき、グレイヘアになった自分を見て「これだ!」としっくりきたんです。これが本当の自分の髪色なんだと思ったら、「治っても染める必要ないな、この髪色で生きていこう」って思えました。
── とても大きな変化ですよね。
simejiさん:グレイヘアになった日は、私にとって白髪を敵にしなくなった記念日でもあります。グレイヘアになってからは「ヘアスタイルを楽しもう」というメンタルに変わりました。人とは違うふうになったからこそ、「何でもあり」という意識が芽生えたというか。年齢を重ねて「もうおばちゃんなんだからいいや」といろいろ楽しくなってきたというのもあるのかもしれません(笑)。
40代って体型が変わってきて、服装や髪型、メイクなどそれまでしっくりきていたものが突然、似合わなくなったりする年代ですよね。私も白髪染めをやめるちょっと前は、何をやっても全然かっこよくなかったんです。自分を見つけられないというか。
── そういうタイミング、ありますね…。
simejiさん:でも、髪色に関わらず似合うスタイルは必ずあるはずと、グレイヘアになってからは何が自分にいちばん似合うのかを試しながら探しました。
たとえば、グレイヘアになって1、2 年目には青のヘアマニキュアをメッシュのように入れていました。当時は白髪の本数がまだ少なく中途半端な感じだったので、メッシュを入れることでグレイヘアを楽しんでいる人に見られたかったのもあります。髪型自由の職場だったので思いきり好きなスタイルにしていました。
少し色が落ちてしまっているんですが、今は黒とブルーのインナーカラーが入っています。グレイヘアあるあるらしいんですが、後頭部って白髪になりにくいらしいんです。私も例にもれず、後ろは黒と白のまだらなんですね。それが嫌なのと、黒と白のコントラストがはっきり出ておしゃれに見えるかなと思い、後頭部の一部を白髪染めで黒染めしています。その上から広範囲にブルーのヘアマニキュアをしているんです。ヘアマニキュアって頭皮や髪への負担が少ないし、黒い髪だと色を入れるために脱色しなければならないけど、白髪だときれいに色が入るんですよ。

── simejiさんのインスタグラムを見ると、グレイヘアになってから10年間、さまざまなスタイルを楽しんでこられたことがよくわかります。
simejiさん:グレイヘアだって自由に楽しんでいいんですよね。それぞれみんな白髪の生え方が違うからこそ、その人に似合う髪型って必ず見つかると思うんです。だから悩んでいる人はまず美容師さんに相談してみたらいいのではと思います。
── ちなみに、髪の毛が抜けていた部分は治りましたか?
simejiさん:いつのまにか治っていました。 毛が抜けるのには染毛剤などのダメージだけでなくストレスなどいろいろな原因があるみたいなので、白髪染めをやめたから治ったとは一概には言えないんですけど。今はふさふさです(笑)。