顔出ししてのSNSで情報発信とモデルにも挑戦!

── なぜモデルに挑戦しようと思ったのでしょうか?

 

高橋さん:「モデル」という職業は、すごくキラキラして華やかなイメージがありました。一般人で、さらに持病や障がいもある私には遠い存在だし、そもそも人前に立つ仕事はムリだと思いこんでいたんです。でもSNSで「障がい者モデル」という存在を知り、もしかしたら、オストメイトの私が障がい者モデルに挑戦すること自体に、とても大きな意義があるんじゃないかなと考えたんです。

 

病気や障がいがあってもいろんなことができるんだと伝えられるし、何よりもたくさんの人に病気のことを知ってもらうきっかけにもなるはずです。「当たってくだけろ」の気持ちで挑戦したところ、合格することができました。現在も保健師として働いていますが、職場も理解してくれて、モデルの仕事がある日はお休みをいただいています。夫も応援してくれて、周囲に恵まれていると感謝の気持ちでいっぱいです。

 

高橋めいこ
ファッションショーで着物を着る高橋さん

モデルとしての活動を始めてから、着物を着てファッションショーに出たのも印象的でした。お腹にはストーマがあり、パウチを取りつけているので、着物の帯でストーマが圧迫されるのではないか、と心配されることもあります。でも、帯の位置や締める強さを調整すれば、着物をきれいに着られるということが伝えられたのではないでしょうか。

 

── 今後、どんな活動をしていきたいですか? 

 

高橋さん:クローン病やオストメイトについては「ちょっと不便な部分はあるけれど、特別なことではなく、病気や障がいがあっても、ほかの人と変わらないよ」と、明るく伝えていきたいです。暗い顔をして発信しても、ネガティブなイメージがついてしまう気がしますから。

 

私の母はいつも「笑顔がいちばんの薬だよ」と言ってくれました。たしかに落ちこんだときや体調がよくないときに、笑うと元気になれるんです。前向きに「クローン病やストーマを造設すると、こんなこともあるよね。でも上手につき合っていこう」と伝えられたらいいなと思っています。楽しく発信することで、オストメイトへの理解が深まったら、とてもうれしいです。

 

取材・文/齋田多恵 写真提供/高橋めいこ