小学5年生のころから「不登校YouTuber」として注目を集めたゆたぼんさん。中学卒業後に高卒認定を取得し、現在は高校2年生に。不登校時代のこと、言動が注目を集めたきっかけなどを聞きました。(全2回中の1回)
「お笑い芸人になりたくて」小2でYoutubeデビュー
── ゆたぼんさんがYoutubeを始めたのはいつごろだったのでしょうか?
ゆたぼんさん:小学2年生のときです。僕、幼稚園のころからお笑い芸人になりたくて。大阪に住んでいたころは毎週のように『吉本新喜劇』を観ていて、ずっと「大人になったらお笑い芸人になろう」って思っていたんです。それで、親に「お笑い芸人になりたいねん。Youtubeで発信したい」って言ったら、親父もおかんも「いいよ」って言ってくれて、「やろか」って感じですぐに始めました。「大人になるまで待たんでいいや、それなら今やろう」って思ったんです。ただ、始めたのはいいものの、どんなふうに撮影してインターネットに公開すればいいのか、全然わからなくて。だから、親に協力してもらって、見よう見まねで動画を作っていました。
当時は妹2人と僕が出演して、親が協力してくれた動画を公開していました。最初は親が撮影も編集もやってくれていたけど、途中からは親のやりかたを見ながら自分でもやり始めて。お笑い系の動画を公開していましたね。
なぜ学校があって、宿題は何のためにやるのか知りたかった
── 不登校になったのはいつごろでしょうか。何かきっかけはあったのですか?

ゆたぼんさん:小学3年生のときです。小学1、2年生までは毎日楽しく学校に行っていました。でも、3年生のころから、「なんで学校ってあるんだろう」「学校にはどうして先生がいるんだろう」「なんでみんなと同じことをしないといけないんだろう」っていろんな疑問がわいてくるようになったんです。
── たくさんの好奇心をお持ちだったんですね。
ゆたぼんさん:あるとき、「なんで宿題ってあるんですか?」って先生に聞いたんです。だけど、「そんなこと疑問に思わなくていいから」という感じで、納得できる返事がもらえませんでした。でも、僕は理由がわからないままだと手が動かなくて。結局、宿題ができないまま、次の日登校したんです。
そうしたら、その日の放課後、居残りになって。先生に「なんでやってこなかったの?」って太ももをたたかれたのを覚えています。僕はそれで泣きながら家に帰りました。親に事情を説明して、長い時間みんなで話をして。翌日、親は学校で状況を説明したり、何があったのか先生たちに聞いたり、本当にいろいろやってくれたんです。でも、結局「叩いた」「叩いてない」の水掛け論になってしまって…。それ以来、先生のことを信用できなくなって、学校に行く気力がわかなくなりました。
── そんなことがあったんですね。まだ小学3年生で、そんな状況になると不安な気持ちになったのかなと思います。
ゆたぼん:次の日、「宿題はやらなくてもいいから給食だけでも食べにきてください」って先生から連絡があって、学校に行ったんです。でも、休み時間にグラウンドで遊んでいたら、同級生たちが来て、「宿題やったん?」みたいに聞かれて。「やってないけど」って答えたら、腕をつかまれて教室に戻って宿題をやるように言われたんです。結局、休み時間に宿題をやることになって。
そんなことがあって、僕は同級生たちが「(先生に言われた通りに動く)ロボットみたいや」って、先生も学校も信じられなくなりました。それで、行きたいときだけ行く自由登校の形に。「行きたいときに行けばいいよ」って親も言ってくれていたんです。