元地下アイドルだった金子南さんが夫と出会ったのは、金子さんが19歳で夫が46歳のとき。結婚前提で交際を始めますが、きっかけがないと結婚を認めてもらうのは難しいだろうと当初から考えていて── 。(全2回中の1回)
運営スタッフのひとりという認識だったのに

── 金子さんと旦那さんの歳の差は27歳。2人が出会ったとき、金子さんは19歳、旦那さんは46歳だったそうですね。まず、おふたりの出会いについて教えてください。
金子さん:当時、私は地下アイドルの仕事をしていました。主人とは10月のある日、小さなライブハウスのイベントで出会ったのが最初です。私はアイドルとして、主人は芸能事務所の仕事をしていたので、別のタレントさんのつき添いで来ていて。
── 旦那さんの第一印象はいかがでしたか?
金子さん:正直、運営スタッフのひとりっていうくらいで、それ以上でも以下でもなかったですね。ただ、その後もイベントやライブで一緒になることがよくあって、ライブ終わりにみんなでご飯を食べに行く機会が多かったんです。話をしてみると、明るくて楽しい人だなぁって思ってました。
── 初めてふたりだけでご飯を食べに行ったのは、どんなタイミングだったのでしょうか?
金子さん:ある日、いつも通りみんなでご飯に行く約束をしていたんですけど、当日来られない人が出てきて、「じゃあふたりで行く?」となって。そこからライブ終わりに週1回くらい、ふたりでご飯に行くような関係になりました。
── ふたりで出かけるようになり、旦那さんの印象は変わりましたか?
金子さん:そうですね。一緒にいて楽しかったし、私のことを「かわいいね、かわいいね」ってずっとほめてくれたんですけど…どこか軽いというか。キャバクラやガールズバーのお姉さんに「今日もかわいいね!」っていうのと同じノリに聞こえていたので、本気でとらえてはいなかったんです。
そんな主人に対する見方が変わったのは、主人が経営しているカレー店に連れて行ってもらったときのことでした。意外というか、ちゃんとおいしいカレーが出てきたんです。食材一つひとつにこだわりがあって。チーズも毎回食べ比べをしながら慎重に決めているとか、ルーも毎回研究しているとかいろいろ説明してくれて、いつもと違う一面を知ったというか。それまでは金髪でチャラチャラした人かと思っていたんですけど(笑)。尊敬する気持ちが徐々に芽生えていきました。
あと、主人と出会った年の12月の誕生日で、私が20歳になるタイミングで。「もっとしっかりした大人にならなきゃいけない」と、当時はなぜか力が入っていたんですけど、主人はいい意味で適当で楽しそう。「こんな大人もいるんだ」と知って、私ももっと楽に生きていってもいいんだって思えた部分があります。