「責任なんてとらなくていい」と猛アタック

── 小澤さんのどのようなところに、惹かれていったのですか?

 

吉川さん:夫は、相手に気をつかわせないような気づかいがすごく上手で、しゃべりやすさや親しみやすさを感じていました。稽古からの帰り道も同じ電車に乗っていたので、話をする機会が多く、「おつき合いしたいな」という感情が少しずつ芽生えていったのを覚えています。

 

舞台の公演が終わったときに、思いきって告白したのですが、夫からは「すぐに返事はできない」との返答。「舞台の稽古中は毎日会っていたけど、公演が終わったら各々の生活が始まる。そうしたら、これまでとは違った関係に変わっていくと思うから」と言われてしまって…。

 

──「舞台」という共通の繋がりがなくなったときに、関係性も変わっていくと?

 

吉川さん:はい。でも公演が終わってしばらく経っても、共演者の何人かで食事に行く機会が続き、疎遠になることはありませんでした。そこで私は、「つき合ってみない?」と再び夫に意思を確認してみることにしたんです。舞台の公演が終わって、ちょうど1か月くらいが経ったころでした。

 

── 積極的ですね!小澤さんはどのような反応でしたか?

 

吉川さん:当時の私は33歳。夫は、私の年齢を気にしてくれていたようで、「いい人だなとは思っているけど、試しにつき合ってみて『やっぱり違うな』と感じたとき、あなたの人生に責任が取れない」と話してくれました。

 

難色を示す夫を目の当たりにしながらも、私は「おつき合したい」という気持ちが収まらず、「責任なんてとらなくていいからつき合って!」と猛アタック。半ば強引に「OK」をもらって交際がスタートしました。