影響を受けたホリエモンに初めて褒められて
── たしかに、育児をしながら仕事をしていると、仕事と育児のどちらも中途半端に散らかしたまま、それでも前進しないといけない瞬間が多々あります。奥井さんが「整えない勇気」をモットーにしたのは、なにかきっかけがあったんですか?

奥井さん:息苦しそうな自分の周りの友人や、芸能人の方の中には、世間から求められる完璧な自分を演じようと苦しんで、心を病んでしまう人もいるように思います。友人にもそういう子がいたので「もっと力を抜いて、整わないあなたが好きだよ」って言ったら、すごく表情が明るくなって。完璧であることが美しいと自己暗示をかけている人が多すぎる。だけど、完璧じゃないところもすごくいいよ、というのは誰かが言わないと気づけないものなんだ、と思ったのがきっかけです。
── NewsPicksでは、堀江貴文さんや落合陽一さんら、そうそうたる顔ぶれと共演されていました。もともと奥井さんは堀江さんの著書に影響を受けたそうですが、一緒にお仕事をすることになってどんなお気持ちでしたか?
奥井さん:すごくうれしかったものの、「私にできるのかな」という不安のほうが大きかったです。なので、堀江さんが過去出版した本やインタビューなどを全部インプットしたり、メルマガやnote、Xを逐一チェックしたりと準備をしていました。
── ブレイクスルーになった出来事はありますか?
奥井さん:以前、番組で本田圭佑さんがサッカークラブをつくる話題を取り上げたときに「どういう国で彼はプレーしているのか」と堀江さんが質問したんです。そのときに私が事前に調べた情報をパッと答えたら「ああ、それそれ。よく調べたね」って言ってもらえたんです。
いい質問をしようとか、堀江さんからいい発言を引き出そう、というところまではまだ全然できていないけれど、まずはベースとなるニュースの背景や情報をいかに仕込めるかを心がけています。すごく地味なんですけど、そういう地味な仕事の積み重ねの大切さに気づけたことが大きかったと思います。
── さまざまな方とお仕事をしてきたなかで、印象的だった出会いはありますか?
奥井さん:小説『破天荒フェニックス』を書かれた(メガネの製造・販売を手がける「オンデーズ」代表取締役社長)の田中修治さんが「最近の若い人はまわりを気にしすぎていて、自意識過剰に陥っている。まわりは意外と自分のことをそれほど見てないし、失敗も見てないから、誰が何を思おうと構わず進め」とおっしゃっていて。たしかにそうだなと納得しました。
私も、周りからの目を気にしてXの投稿しては消し、投稿しては消し、といった意味不明な作業をしてしまいがちでした。けれど、その時間もったいないな、と。まわりが私に何を求めているのかって、考えても本質的に意味がないんですよね。それからは「アナウンサーなんだからこういう発言をしないと」とか「こんなの奥井らしくないと思われたらどうしよう」といったことを考えるのをやめました。プライベートでも「ママだからキャラ弁を作らなきゃダメ」とか、そういう型にはまる必要はないなって思えたんです。
