職務質問をきっかけに、家がない状態から脱出
── どうやって、家のない生活を終わらせたのですか?
川瀬名人:あるとき職務質問をされて。身分を証明できるものが何もなかったんです。当時、mixiというSNSがあって、それしか僕の存在を証明するものがなくて。なので交番でmixiを開いて、親戚に連絡を取ろうとしました。そのとき偶然、吉本の養成所の同期が、合コンの参加者を募るメッセージを送ってくれてたんです。すぐに連絡して、迎えに来てもらいました。そこからしばらくは彼の家にお世話になって、その間に身分証を用意して、家を借りて生活を整えていきました。そいつには今でも頭があがりません。
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無事に住む家を確保した川瀬名人は、その後養成所を卒業し、芸人になります。そこからM-1優勝を目標に本格的に活動を始めましたが、M-1で優勝後は引退するという少し変わった目標を設定します。ホームレスからM-1優勝で引退とは、芸人として夢がありますね。
取材・文/大夏えい 写真提供/川瀬名人