車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手と結婚したフリーアナウンサーの久下真以子さん。妊娠中にパリ・パラリンピックがあり、夫が金メダルを獲得する瞬間をお腹の子とともに現地で見届けました。順調な妊婦生活を送っていましたが、出産は予定通りにいかず、2日がかりで大変な思いをしたそうです。(全3回中の2回)
「ちょっと待ってください、妊娠してるんですか?」

── 子どもを持つことや妊活については夫婦でどのように話し合っていたのですか?
久下さん:結婚するときから子どもがほしいという話はしており、結婚後にふたりでレディースクリニックに行き、ブライダルチェックをしました。私は結婚前、卵巣に腫瘍があって右卵巣を摘出していたのですが、血液検査や採精の結果さいわいふたりとも卵子や精子に問題がないことがわかり、せっかく採取したのだからということで精子だけ凍結しました。
翌年に結婚式を挙げてから私の卵子を採取して受精卵を凍結。その後体調を見て約1年間凍結しておいた受精卵を移植したところ、1回目で無事に定着しました。
── 妊娠がわかったときはどんなお気持ちでしたか?
久下さん:感染症対策で基本的に男性の入れないクリニックだったので夫には車で待機してもらって、私だけで診断結果を聞きに行ったんです。そうしたら、医師の先生が妊娠後のことついて淡々と説明し始めて「ちょっと待ってください。妊娠してるんですか?」と聞いたら「はい、してますよ」とあっさり。夫をすぐに呼んで報告しました。でも、心拍や胎嚢が確認できるまでは実感がわかず、心配で毎日体温を測ったり妊娠検査薬で何度もチェックしたりしていました。
── 両家の親御さんも喜ばれたでしょうね。
久下さん:私のほうは母が亡くなっていたので、父にすぐ報告しました。夫のお母さんは、結婚が決まったときは「まさか息子が結婚できる日が来るなんて」と言って泣いていましたが、今度は「まさか孫ができる日が来るなんて」と、泣いて喜んでくれました。